第28章 クロコダイル
「まだわかってないみたい。“六輪咲き(セイスフルール)”。」
両手足を抑えられてペルさんの動きが止まる。やっぱり…意味ないんだ。スピードは…
「“力(パワー)”“速さ(スピード)”、私にとってそれは意味のないものよ。“クラッチ”!!!」
関節技を決められてペルさんは血を吐いて倒れてしまった。多分、背骨が折れてしまっただろう。こんな能力…確かにクロコダイルのパートナーとしての強さは充分にあるようだ。はっきり言って私が抗ったってすぐにやられる。
「ふふっ、“王国最強の戦士”も大したことないわね。」
「ペル!!!………そんな……!!…ウソよ…………………!!」
「さァ…行きましょうか…社長(ボス)とあなた達の仲間が待ってるわ…」
ビビはペルを何度も振り返りながらミス・オールサンデーに付いていく。後ろに手を拘束されて、大人しくついていくことしかできないのは悔しいが…この人に敵わないのもまた事実だ。
さすがに正面からレインディナーズに入るわけにはいかないみたいで、直接クロコダイルに会える裏口に案内された。裏口のドアを閉められた時、私達の拘束は解けて自由になった。だが逃げられるわけもなく、廊下を歩くしかない。一歩一歩クロコダイルに近づいていると自覚してきて、じわじわと恐怖が広がってくるのを感じた。
「ここよ。さぁ入って。」
ミス・オールサンデーに促され入ると…とても広い部屋に出た。カジノの下にこんなところがあるなんて…以外に豪華だな、なんて考えてる余裕がある自分に驚く。クロコダイルというのは、多分部屋の真ん中に座ってる鉤爪の男だろう。その横には大きな檻が見えた。
「クロコダイル!!!」
「ビビ!!!」
「なまえ!!?」
「え……ルフィ!!?」
その檻の中から声がしたと思ったら名前を呼ばれた。なんと捕まっていたのだ。…全員ではない。サンジとチョッパーがいないな……