第28章 クロコダイル
「なまえ!!ビビ!!おれが相手する、先に行ってろ!!」
「……え、でもMr.ブシドー!!」
「分かった!!行くよビビ!!」
「なまえさん!?」
私は立ち止まりそうになったビビの手を引っ張って走り続けた。ゾロは大丈夫だ、スモーカーがいない海軍なんて雑魚ぐらいにか思ってないだろうから。
「………待って、なんか………変じゃない?」
「………え?」
しばらく走り続けてたが、人の動きに違和感を感じた。どうみても一般の人達の姿がほとんど見えなくなり、代わりに絶対怪しいだろってやつが次々と近づいてくる。そして……
「覚悟しろ王女!!」
「うわっ!?」
前から物凄い人数がやってきた。全員ビリオンズかミリオンズのやつらだろう。ビビのクジャッキースラッシャーと私の水の能力でなんとか地道に倒して行ってはいたが…なんせ敵の数が多く、ビビの体力や私の基本戦闘術の低さで囲まれてしまった。敵は銃を持っており、少しでも動くと撃たれてしまいそうで安易に動くことができない。
「………どうしよう………これじゃレインディナーズへ行けない…」
「………く…!!!」
どうしようかと打開策を必死に考えてるとき、前に立ってた男が急に倒れてきた。ビックリして顔を上げると…逆行で影しか見えないが、大きな鳥が空中から銃を乱射させて攻撃をしていた。慌てて頭を抑えて姿勢を低くし、当たらないことを願っていたが…ビビの表情が柔らかくなっていたことに気づいた。
「………え、…知り合い?」
「ええ!!頭を伏せなくても大丈夫よ。私に捕まってて!!」
「え、ちょっ……うわわっ!!」
いきなり鳥が低空飛行をし始めたと思ったら、ビビがその鳥に捕まったので慌ててビビの腰辺りにしがみつく。瞬時に体が地面から離れ、空中に浮いたと思ったら近くの建物の屋上に着地した。
「ペル!!」
「お久しぶりですビビ様。そちらの方は仰ってた麦わらの一味の方ですか?」
「ええ、そうよ!!」
「…おふた方、少々ここでお待ちを……!!」
鳥だと思ったらちゃんと人間だったペルさん。ビビの従事者のうちの一人だろうか。イガラムさんと同じような地位の人だろうか。麦わらの一味のことを知っているということは、カルーは無事に伝達できたんだろうな。挨拶はそこそこに、まずは下にいるB・Wを片付けてもらおう。