第28章 クロコダイル
「一見前と変わらねぇただの棒だが、全然違う!!3つの棒の組み方でなんと攻撃が変わるんだ。」
説明を聞いてて、素直にウソップはすごいと思った。ただの棒を魔法みたいな能力の持つ棒に変えてしまうなんて。手先が器用どころじゃない。
「ところでよ。B・Wはおれ達がこの国にいることに気づいてんのか。」
「………おそらくね。Mr.2にも遭ってしまったし…Mr.3がこの国に入っているのだから…まず知られてると考えて間違いないと思うわ。」
Mr.3はともかく、Mr.2に会ったのは故意ではなかっただろう。彼…彼女?……あのオカマはルフィ達と本当に仲良くなったように見えた。知っていたら会った時点でなんらかのひと悶着はあってもおかしくなかったと思われる。
「それがどうしたんだ。」
「顔がわれてるんだ。やたらな行動はとれねぇってことさ。」
「何でだよっ!!」
「『レインベース』には、どこにB・Wの社員が潜んでるかもわからねぇんだ。おれ達が先に見つかっちまえばクロコダイルにはいくらでも手の打ち用があるだろう!!」
「暗殺は奴等の得意分野だからな…!!」
本当に怖い響きである。だって、知らない間に殺されるかもしれないんでしょ?落ち着いて歩けやしない。みんなで行動をしたいところではあるけど、集団になればなるほど見つかりやすくなるし…難しいところである。
「よーーし!!クロコダイルをぶっ飛ばすぞーーっ!!!」
「聞いてたのかよてめぇ!!!」
さっきまでの話はなんだったんだ、って感じになるようなルフィの発言にウソップのビンタが炸裂する。だけど、ここはクロコダイルのいる町。どっちにしろ見つかるのであればこそこそ行くよりも堂々と行ったほうが早い気がする。
その意見はビビも同じようで。
「…でもね、ウソップさん。私も…やっぱりルフィさんに賛成っ!!今はとにかく全てにおいて時間がないの。考えるヒマなんてないわ。」
「あらウソップ、あんたビビってんの?」
「おれも頑張るんだ!!」
ナミもチョッパーも覚悟が決まってるようで…本当は慎重に行きたいところだからウソップの言うことも分かるけど、今回ばかりは…