第28章 クロコダイル
「ア〜〜〜〜」
「ア〜〜〜〜〜」
しばらく砂漠を歩いてから、また最初みたいにア〜ア〜言い始めたルフィとウソップ。わかるよわかる。暑いし汗でないし、出てくるのは声だけ。ただ、行きと違うのはラクダに乗ってるということ。全然違うね、楽でいい。
「もうアーアー言うのやめてって言ってるじゃない2人ともっ!!」
「何だよ、お前はラクダに乗ってるクセによ!!」
「そうだおれ達も乗せろ!」
「このラクダ女。」
「ナミラクダ。」
「うっさいわね!!!」
私も乗ってるんだけど、特に徒歩の人には何も言ってないしウソップやルフィの喉が限界そうだなって思ったら随時水を与えてやってるので敵視されてないみたい。
「ルフィさん…」
「ん?」
「ありがとう。私じゃとてもこんな決断下せなかった…」
「……ほォか?メシ食わせろよ。」
「え?」
「クロコダイルをぶっ飛ばしたら死ぬ程メシ食わせろ。」
「うん、約束する!!」
この大規模な戦いを終わらせて、その後のこともビビに約束させる凄さ。ルフィは多分あまり考えてないんだろうけど、ビビにとっちゃ嬉しいことなんだろうな。
丸一日が立った。今回は一番長い旅立ったというのにウソップもチョッパーも倒れていない。素晴らしい!!それに比べて私はマツゲに乗ってても暑さでやられてるっていう…なんとまぁ情けないこと。
「見えた!!あれが『レインベース』よ!!」
「着いたのか〜〜〜〜〜〜〜っ!?よーーーし!!クロコダイルを!!!ぶっ飛ばすぞ!!!」
「クロコダイル………………………!!」
思いや覚悟は各々あると思う。私だって覚悟は決めたつもりだ。だけど、やっぱり自分が普通に戦闘して、反乱軍を止めて、なんて想像ができない。自分のできることができたらいいな、って感じだな。
「…そうだウソップ、頼んどいたアレ、出来てる?」
「………アレって何?」
「オオ…アレか、できてるぜスゲェのが。見ろ!!これがお前の新しい武器!!“天候棒(クリマ・タクト)”だっ!!」
えっ、何それ何それ。ナミはウソップに武器を頼んでいた……うん、確かに頼んだって言ってたけど。ナミの元の持ってた棒を武器に改造したみたい。