第28章 クロコダイル
「クロコダイルのいる『レインベース』というオアシスはのここ。今いる『ユバ』から北へまっすぐ。まる1日砂漠を歩くわ。」
大乱闘の後、ちょうどよかったのでそこでまた新たな作戦会議をしている。私達の行き先はカトレアからレインベースへと変わった。
「そこには水はあるのかな。」
「ええ、そこは平気。国の反乱とはほとんど無縁のギャンブルの町よ。」
「いやーーん、ギャンブル!!?」
「オイオイてめぇ何考えてんだ。」
「同じアラバスタでも呑気な町もあるんだな。」
ギャンブルと聞いた瞬間、ナミの目がお金になった。そんな賭けて遊んでる場合じゃないんだぞ。
「“ゴムゴムのダメだ”〜〜〜!!!」
「まだやってんのか。」
後ろからルフィの手が伸びてきたと思ったら、さっきからずっとウソップとこうして攻防している。何かといえば、喉が乾いたウソップがルフィに水飲ませてくれと懇願しているのだ。
「一口くらい飲んだっていいじゃねぇかよ…せっかくもらった水だろう……!!」
「だめだ。」
「よこせっ。」
「だめだ。“ゴムゴムのダメだ”ー!!これはあの“カラカラのおっさん”が一晩中かけて掘ってくれた水だぞ!!そうやって簡単に飲んだらダメなんだバカ野郎っ!!!」
「へーー、時には我慢もできるのね。」
「できるぞお前失敬だな!!お前失敬だな!!!」
なんで二回言ったんだ。そうだよね、トトさんの大変さとか頑張ってるところとか見てたんだよね、私が来る前まで。そういうところはちゃんとしてるルフィ。好き。
「ウソップ、私の水あげる。」
「お、おお……ありがてぇ……」
ルフィとの掛け合いで随分疲れてそうなウソップに、見えないようにコップに水を注いでやって渡す。これからは喉が乾いたら私に言ってね。
「わかったら行こうぜ。先を急ぐ旅だ。」
「おい、こっちだぞ北は。」
先陣切ってゾロが砂漠を歩き出した…けど、見事に真逆に行ってしまいそうになっていた。やっぱりゾロを前にしちゃだめだ。迷子になる。