第27章 かけるモノ
「でたのか!?」
「昨夜君が掘りながら眠ってしまった直後にね。なまえちゃんが湿った地層を見つけて不思議な力で水を出してくれたんだ。」
「おおーーっ!!水でたんだな、何したんだなまえ!!」
げ、不思議な力…これは私の能力ですトトさん。そんな余計なことまで言わなくていいんだよー。
「……私の祈り、届いたみたいなんだ。私にこんな力あると思わなかったけど。」
なんとか誤魔化した。ルフィとチョッパーは、ほへ〜、みたいな気の抜けた返事をしていたがその他はどうだろうか。まぁみんな私の水の能力はしってるもんな。氷は知らないみたいだけど。
「正真正銘ユバの水だ…すまんね、それだけしかなくて…」
そうしてトトおじさんに別れを告げ、私達はユバをあとにした。
ユバを出てて数分後、ルフィは突然砂に座り込んだ。
「あ!!?何やってんだお前!!」
「………?どうしたの………?ルフィさん。」
「んん………やめた。」
「「「「「は!??」」」」」
「“やめた”って………!?ルフィさんどういうこと!!?」
ルフィが突然言い出したので、みんなが慌てる。ナノハナへ戻るには早くても半日またかかってしまう。少しでも時間を無駄にしたくない。
「おいルフィ、こんなとこでお前の気まぐれに付き合ってる暇はねぇんだぞ!!さァ立て!!!」
「戻るんだろ。」
「そうだよ、昨日来た道を戻ってカトレアって町で反乱軍を止めなきゃお前、この国の100万の人間が激突してえれぇ事態になっちまうんだぞ!!!ビビちゃんのためだ!!さァ行くぞ!!!」
「つまんねぇ。」
こんなところで足止め食らって…早く行きたいのに、っていう気持ちもあるんだろう。それも分かるが、ルフィがこういうことを言うのは初めてだ。ビビの力になるためにウイスキーピークからずっとこうして来ているのに。つまんねぇ、の一言。ただ単に言ってるとは思えない。
「何を!!?コラァ!!!」
「待って!!」
「何だ、なまえちゃん!!」
「…ごめんサンジ。……ルフィの話を聞いてあげて。」
私が止めて珍しく不服そうな声を出したサンジ。でも、理由もなくつまんねぇ、なんて言うやつじゃないもん。みんなも黙ってルフィの言葉を待つ。