第4章 山火事
「エース、ルフィ…!!おれ達は必ず海へ出よう!この国を飛び出して自由になろう!!広い世界を見ておれはそれを伝える本を書きたい!航海の勉強なら何の苦でもないんだ!!もっと強くなって海賊になろう!!」
サボが初めて教えてくれた過去。苦しそうに話してるところを見る限り、サボは本当に高町にいるのが苦だったんだってことが分かる。海賊になって、この島を飛び出すという夢を語るサボは輝いていて、楽しそうだった。
「ひひ。そんなもんお前に言われたくてもなるさ!!おれは海賊になって、勝って勝って勝ちまくって、最高の“名声”を手に入れる!!それだけがおれの生きた証になる!!世界中の奴らがおれの存在を認めなくても、どれ程嫌われても!!“大海賊”になって見返してやんのさ!!おれは誰からも逃げねぇ!!誰にも負けねぇ!!恐怖でもなんでもいい!!おれの名を世界に知らしめてやるんだ!!」
エースはサボの話を聞いて、自分の決意を海に向かって大声で叫びだした。世界中の奴らが存在を認めなくても、か。子供は子供ながらに考えてるところはあるんだなぁって、これじゃあ私がおばさんみたい。ルフィもエースにならって海に向かって叫びだした。
「ししし…!そうか、よーし。おれはなぁ!!海賊王になるんだ!!!もっと強くなって、誰にでも負けねぇ海賊になりてぇんだ!!」
「「…………は?」」
ルフィが叫んだあと、エースとサボは2人揃って呆けた顔をした。
「なっはっはっはっ!!」
「……お前は…何を言い出すかと思えば…」
「あははは!!面白ぇなルフィは!おれ、お前の将来が楽しみだ!!」
ルフィが海賊王になったら、二人とも驚くだろうなあ。これを言っちゃうと元も子もないけど、ワンピースの主人公はルフィだしこれはきっとルフィが海賊王になるまでの冒険を描いた
漫画だ。だから、私は必ずルフィは海賊王になるんじゃないかと思う。
「なまえも叫べよ!夢、あるだろ!!?」
ちょっと離れた木の幹に座ってた私にルフィは呼びかけた。
「えっ、私!?いやいいよ!」
「遠慮すんなって、フェアじゃねーだろ!」