第4章 山火事
サボも誘ってくれた。が、ここの世界で叫べるようなことはないぞ。そりゃ、お金持ちになりたいとか、頭がよくなりたいとか、彼氏欲しいとか、好きなところに就職したい、とか色々あるし。ここの世界で言うと、力が欲しい、ルフィ達をサポートしたいとか、家に帰れる方法を知りたいとか……
「あ……私は…ルフィ、エース、サボの3人が、元気で立派な海賊になれれば嬉しい…かな。」
ちょっと私は分かってますアピールを入れた願い事を言ってみたり……あれ、みんなからの反応がない。
「そうじゃねーよ、お前のなりたいものとかさ!!」
ルフィがちょっと怒ったように反抗したが、お二人はなんか顔を赤くしてる。もしかして照れてる?
「……ま、いいよルフィ。なまえがそう言ってくれるんだからありがたく受け取っとこうぜ!」
パッ、と顔をあげたサボはニカッ、と笑った。つられて私も笑い、あぁ、この時間がずっと続けばいいのにと思った。
「…そうだ、約束の、持ってきたか?」
エースが私に近づいてそう言った。実は、別れるときにエースからお酒を1本持ってきてくれと頼まれたのだ。何に使うかは分からなかったけど、バレたらエースが持ってきたってことにしてくれるって言ってくれたし。
「あー、はいどうぞ。」
「おう。」
「……でも、3人共船長になりてぇってマズくねぇか?」
「思わぬ落とし穴だ。サボ、お前はてっきりウチの航海士かと。」
「お前らもおれの船に乗れよー。」
…………ん?お前らもとは?
「ルフィ?お前らもって何?」
「え?だってもうおれの1番最初の仲間はなまえだろ?」
「「「………え!!?」」」
今なんて言った!?私、私がルフィの仲間!?1番最初の!?1番最初は確か…確か…忘れたけどなんか剣士だった気がする!ここに来たときからもしかしたらルフィの仲間になるかもとは思ってたけど、この時点から仲間決定になってるとは!
「お前ズルいぞルフィ!!」
「そうだそうだ!なまえは俺の船に乗ってもらうつもりだったのに!!」
「しししし!!早いもんがちだ!!な、仲間になってくれるよな!」
まさかのまさかだよ!!ううう嬉しい!!でも、私弱いし、多分行っても足手まといになりそう!!