第27章 かけるモノ
「こりゃひでぇ…………!!あのエルマルって町と大して変わんねぇぞ……!!」
「水は!!?」
「ここはオアシスじゃねぇのかよビビちゃん…!!」
「砂で地層が上がったんだ…オアシスが飲み込まれてる…!!!」
確かに、湖らしきものはあるのだが…砂が一面を被っていて水一滴も見つからなさそうである
「旅の人かね…砂漠の旅は疲れただろう。すまんな、この町は少々枯れている…………だがゆっくり休んでいくといい…宿ならいくらでもある…それがこの町の自慢だからな…」
湖らしきところの砂を掘っているおじさんが話しかけてきた。立っているたけでもなんとなくフラフラしているようで…大丈夫かな?
「あの……この町には反乱軍がいると聞いてきたんですが…」
「………反乱軍に何の用だね……貴様らまさか反乱軍に入りたいなんて輩じゃあるまいな!!!」
「うわっ!!何だ何だいきなりっ!!!」
私達に向かって樽やらバケツやら石を投げつけてきた。…もしかしてこの人は反乱軍より国王軍を応援している人なのかも…
「…あのバカ共なら…もうこの町にはいないぞ…!!!」
「「「何だとォ〜〜〜〜っ!!!?」」」
「そんな…!!!」
「…たった今…この町に砂嵐が来たが、今に始まったことじゃない。3年前からの日照り続きで砂は乾ききって、この町は頻繁に砂嵐に襲われる様になった!!!少しずつ少しずつ蝕まれて過去のオアシスも今じゃこの有り様さ。物資の流通もなくなったこの町では、反乱の持久戦もままならない…反乱軍は『カトレア』に本拠地を移したんだ…」
「『カトレア』!!?」
「どこだビビ、それ近いのか!!?」
「待ってよ!!カトレアって……ナノハナの隣じゃなかった……!!?」
「……えぇ、その通りよ…」
「『ナノハナ』!!?」
「おい…!!おれ達ァ何のためにここまで」
嘘だろ本当に。冗談じゃない!せっかくここまで来たっていうのに、またナノハナまで帰らなくちゃいけないの??
「ビビ…!?…今…ビビと…!?」
………あ、しまった。そういえばさっきルフィがナチュラルにビビと呼んでいたな。この国ではどんな町でもビビの名を知らない人はいないだろう。だから気をつけてたのに…ルフィはノーマークだったわ…