第27章 かけるモノ
ありがたい。疲れてる、というより暑さでやられてると言ったほうが正しいんだけどね。と、いうことでビビにも譲ってもらったからありがたく乗ることにする。ラクダ乗るの初めてだ。
「よろしくね、マツゲ。」
「ヴォオォ。」
「これで少しは早く“ユバ”へ着けそう。それ行けっマツゲッ!!!」
「「「「「ちょっと待てーーーーっ!!!!」」」」」
いや…うん、なんとなくやるとは思ったけどさ。ビビ+男達を置いて行く気かな?止まる気配はなく、どんどん砂漠を駆け回っていく。
「さすがに……ビビがいないと道わからないじゃん。」
「…………確かにそうね。ホラみんな急いで!はぐれたらあんたら生きて砂漠を出られないわわよ?」
「「「フザけんなー!!!」」」
「そんなナミさんも好きだー♡」
そしてどんどんみんなとはぐれていく私達。方向はあってるのか。後ろからみんなが見えなくなったり見えたりする。なんか途中までルフィが倒れてたし。足引っ張られてた…どうしたんだろうね?まぁそんなこんなで夕方になり、その頃にはみんな私達に追いついてきてくれて、ちょっと一安心した。
「夜になっちゃったわね…」
「しかし何だこの昼と夜との温度差は。」
「…………砂漠の夜は氷点下まで下がるから。」
「ニッキシッ!!!氷点下ァ!!?」
どうりで寒いわけだ。まぁ昼間の暑さに比べたら私はこっちの方がまだマシなんたけどね。前半ダレてたチョッパーは元気になり、自分で歩くようになった。逆に今度は体力の限界を迎えたウソップがゾロに抱えられている。私と交換して貰おうかと思ったんだけど、マツゲが頑なに男は乗せたくないと主張したので仕方なし。
「あそこ!!明かりが見える!?」
「着いたのか!?“ユバ”に!!砂が舞っててよくわかんねぇや…!!!」
明かりは見えないけど、町らしきものは見えた。しかし近づくにつれて地面が揺れているような錯覚がある。
「…何かしらこの地響き!!?…………!!…町の様子がおかしい…!!!」
錯覚じゃなかったらしい。異変に気づいたビビが叫んだ。双眼鏡で町を見てみると…
「………あ…ビビ、大変だ!!ユバの町が砂嵐に襲われてる!!!」
「そんな…」
慌ててみんなでユバへ走っていったが…ついた頃には砂嵐は去っていて、町の残骸が残っているだけだった。