第27章 かけるモノ
「あぁ…悪ィな。……で…何なんだこのラクダは…」
「さァ…さっきの鳥を追ってたらよ。あいつら飛んで逃げやがって、そしたら前からコイツがトカゲに追われて走ってきたんでとりあえずおれも走ったんだ。」
いらない空気の読み方だな。一緒に走んなくてもその場でブッ倒せば、余計な体力使わなくてすんだろうに。
「野生のラクダではなさそうね。ちゃんと鞍がついてる。」
「乗れるな!!こいつに乗ってけば楽だ!!」
「おお、そりゃ助かるなァ。2人は乗れそうだぜ。」
「やっぱ砂漠にはラクダがつきものだ。」
「…じゃまずおれが…」
「ヴオオオヴオ!!」
「うぎ!!何だ!?」
ルフィがラクダに乗ろうとしたら、ラクダが思いっきりルフィの頭を噛って抵抗しだした。例のごとくチョッパーに通訳してもらう。
「『おれは通りすがりのヤサラクダ。危ねえところを助けてくれありがとう。乗っけてやってもいいが…おれは男は乗せねぇ派だ。』って言ってる。」
「コイツ生意気だぞ!!誰が命を救ってやったと思ってんだ!!」
サンジとルフィは分かるが、何故ウソップまでラクダに暴力をふるってるんだ。お前何もしてないだろ。
「ごめんね、ウチの盗賊達がひどいことして。いいコじゃない♡キミ、何て呼んだらいい?」
「アホ。」
「ボケ。」
「タコ。」
「じゃ“マツゲ”ってことで。」
「お前それ一番変だぞ。」
ナミ、絶対それ見た目で判断しただろ。確かにラクダにしては目立ちすぎるマツゲをもっているけども。
「ビビ!乗って!」
「ううん、大丈夫。私はまだ歩けるわ。それよりなまえさんを乗せてあげて。」
「……え、ビビ…神か?」
「…かみ?疲れてるでしょう。」
ありがたい。疲れてる、というより暑さでやられてると言ったほうが正しいんだけどね。と、いうことでビビにも譲ってもらったからありがたく乗ることにする。ラクダ乗るの初めてだ。