第27章 かけるモノ
「おいサンジ、弁当食おう。“海賊弁当”」
「まだダメだ。ビビちゃんの許しが出るまでな。」
「ビビ!弁当食おう、力がでねぇよ。」
「だけどまだ『ユバ』まで4分の1くらいしか進んでないわルフィさん。」
まだ4分の1!?ふざけてんだろ、遠すぎだよ。結構歩いた気がするんだけどな…
「バカだなー、お前。こういうことわざがあるんだぞ?『腹が減ったら食うんだ』。」
「いやウソつけ、作るなお前。」
それを言うなら腹が減っては戦はできぬ。じゃないかな。最終的にはご飯は食べないと、ってことだろうから一緒っちゃ一緒か。
「わかった…じゃあ次に岩場を見つけたら休憩ということでどう?」
「よ〜〜〜し!!岩場ァ………岩場〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
気づいたようだ。岩場なんてそうそうないのだ。見渡す限り砂砂砂。嫌になってくるよね。
「………おい。……おい!!」
「……あ?」
「お前……それ何だよ。」
ゾロに後ろからツンツンされたので、軽く返事をして答える。何、と思い後ろを向くと…何やら私が通ったところが濡れていた。……あ、これ私の水や。さっき氷で冷やせないかと思って氷を出してたんだけど、すぐ溶けるもんでほぼほぼ水を出していた。手から出した瞬間だけ涼しいから下に垂れっぱなしになってることに気が付かずに出しっぱなしにしてたみたい。
「…あー……気にしないで。」
「いや……いいのか?」
さすがにヤバイか。いつの間にか後ろで荷物運びさせられているルフィを見て冷静になった。てか、何でそんなことになってたの?私の荷物も運んでもらおうかな。
「重い…重いぞ暑いし…」
「お前がジャンケンで負けたせいさ、黙って運べ。」
「落とさないでよ、ルフィ!」
多分言い出しっぺはルフィなんだろう。ジャンケン弱いんだからやめとけばいいのに。よし、そういうことなら私のも運んでもらおう。その時、
「ややっ!!!前方に岩場発見!!」
「ほんとかっ!!?休憩タイムだーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
「速ェな!!」
ルフィに話しかけようと思った瞬間、ウソップの声でルフィがすごい勢いで岩場に走っていってしまった。タイミング悪かったなぁ。……しかし、ものの数秒で戻ってきた。