第27章 かけるモノ
「アーー…」
ジリジリと照りつける太陽がウザったい。とりあえず暑くて暑くてキレそうになっている私がいる。砂漠楽しみ〜、だなんて言ってたときの私を殴りたい。こんな暑いとは思わなかった。
「あんまりアーアー言わないでよルフィ!!余計ダレちゃうじゃない…」
「アーー……焼ける…汗も出ねェ…………」
「おれダメだ、暑いの苦手だ…寒いのは平気なのにな…」
「おめぇがモコモコしてっからだ。その着ぐるみ脱いだらどうだ?」
「この野郎、トナカイをバカにするのかぁ!!!」
「ギャーーー、化け物ーーーっ!!」
「おいチョッパーデカくなるな、引っ張ってやんねぇぞ!!」
チョッパーは暑さゆえ一番最初にダウンしてしまった為、ゾロにそりで引っ張ってもらっていた。ウソップとケンカする元気が残っているのならまだいい方じゃん。私なんかもう喋る気も起きないのに。
「……ビビちゃんはあんまりこたえてねぇみてェだな。」
「……私はこの国で育ったから、多少は平気。」
1個前の島が雪国だったなんて想像もつかない。あの時は寒くて寒くて、温かいところを探してたってのに…あぁ、ドラムへ戻りたい。
「しかしこの坂の多さはなんだよ…山登りしてるみてぇだ…」
「ここは歴史の古い砂漠だから、大きいものでは300mも越える砂丘もあるの。」
「さ…300m…!!?道理で…山並みだぜ…」
「水。」
「一口よルフィ。口に含む程度。」
「ああ。」
ぐびっ、とナミの言うとおり口に含む…が。これは…ハムスターか?って言うほど頬が膨らんだ。ナミとウソップと両側からの鉄拳がルフィの頭に当たってせっかくの水を吐き出してしまう。
「「含みすぎだぁ!!!」」
「おれにもよこせ、てめぇ今のは13口分はあったぞ!!」
「まてお前はさっき飲んだだろ!!次はおれだ!!」
「お前ら何すんだ、吐いちまったじゃねぇか!!今のナシだ!!」
「何言ってやがる!!」
「ケンカしないで!!余計体力を使っちゃうでしょう!?」
ごめん、ビビ。もう怒る気にもなれないんだわ。ビビの言葉でルフィ、ウソップ、サンジの3人のケンカは終息した。…そうだ、私の氷で少しでも焼けそうな肌を冷やすことはできないだろうか。