第26章 兄弟
「これね、ビブルカードっていうの。確か新世界でしか作れないもので…自分の爪を紙に煎じて作り上げるんだっけな。その人のいる方向や、その人の命を教えてくれるカードだよ。」
「「へ〜〜!!」」
納得したのかしてないのか、ルフィはビブルカードをじっ、と見ている。まぁ、私は貰えなかったけどよかったねルフィ。……エースは、ルフィと一緒だから私に渡さなかったのかな。
「なぁなまえ!リボンの裏に縫い付けてくれ!」
「リボンの裏?」
「あぁ、そこなら安心だ。絶対なくさねぇもんな。」
なくさないところがリボンの裏か。確かに麦わら帽子はなくしちゃいけないものだし、ルフィにとっては命より大切なものだもんね。そこと一緒にあるなら大丈夫かな。
「分かった。しっかり縫い付けとくわ。」
「おう、頼む!」
裁縫セットがある女部屋へ向かう。なんかサンジがめちゃくちゃショックを受けてる声が聞こえたけど、まぁナミ達のことだろうし無視をする。
「あぁ、あったあった。」
前もこうやって麦わら帽子を縫ったことあったなぁ。バギーに帽子のてっぺんズタズタにされたときだっけね。凄く前のことに思えるけど、つい最近グランド・ライン入ったばっかなので日数的にはそんなにたってないのかもしれない。よし、縫い終わったぞ。
「ルフィ、帽子。」
「ありがとう!!」
ルフィは私から帽子を受け取ってさっそくかぶる。ずっと被ってるから違和感なかったんだけど、船の中にいる時も被ってるなんてよく考えれば変だよね。
「見て、これがざっと描いたこの辺の地形よ。目的地はここ!!『ユバ』という町。サンドラ河を抜けてこの町を目指すわ!!」
ビビがちょうどみんなに目的地の説明をしていたところだった。危ない、私もちゃんと聞いておかないと。
「そして“ユバ”には反乱軍のリーダーがいるってわけか。」
「そいつをぶっ飛ばしたらいいんだな!!?」
「やめて!!!?反乱軍は説得するの。もう二度と血を流してほしくないから…!」