第26章 兄弟
「オイ、話なら中でしたらどうだ?茶でも出すぜ。」
「あー、いやいいんだお気づかいなく。おれの用事はたいしたことねぇから。」
サンジが気を利かせてくれた。用事は大したことないって…そんなに長居しないつもりなのかな。
「海軍の奴ら、しかし全然追って来ねぇな。」
「あぁ、ちゃんとマいて来たからな。この“メラメラの実”の能力で。」
あ、そうだよ。悪魔の実!!さっきルフィもちらっ、と言ってたんだけどいつ食べたんだろうか。ゴソゴソと荷物をあさってるエースをボー、っと見る。
「ホラ、お前にこれを渡したかった。」
「ん?」
「え、何?」
「そいつを持ってろ!ずっとだ。」
「なんだ、紙切れじゃんか。」
「………あ、ビブルカード…」
「……??ビブル…??」
エースがルフィに紙を投げたから何かと思いルフィに寄って覗いたら……そっか、作ってたんだね。これがあればいつでもエースと会えるもん。
「そうさ、おれとお前らをまた引き合せる。」
「エースがいる方向とかを教えてくれる特別な紙なんだよ、ルフィ。」
「へーー…」
「いらねぇか?」
「いや…いる!!」
何でエースはルフィにだけ渡すの?これ、ちぎって貰おうかな…確か自分の爪を入れた特別性の紙で、誰かに渡すときは千切って渡せるんだったよね。
「できの悪い弟を持つと………兄貴は心配なんだ。おめぇらもコイツにゃ手ェ焼くだろうが、よろしく頼むよ……」
エースったら…本当にいいお兄さんになってる。この3年間でどんな成長を遂げたらこうなるんだろう。少し感動している、これも名シーンの1つになるだろう。
「ルフィ。」
「何だ?」
「守ってやれよ、ちゃんと。おれ達の分まで。」
「…………?」
「おいおい、そういう約束だっただろ。」
「……あぁ、…分かってる!!任せろ!!」
ルフィに何か伝言?をした後、エースは船から飛び降りて自分の乗ってきたボートに乗り込む。私とルフィは慌てる。もう少し話したかった…