第26章 兄弟

「ん？」

「昔はなんも食ってなかったからな。それでもおれ達は勝負して1回も勝ったことなかった。とにかく強ェんだ、エースは！！」

「あ…あんたが一度も…！？生身の人間に！？」

「やっぱ怪物の兄貴は大怪物か。」

失礼だな。まぁでもルフィをここまで育ててくれたのは、ある意味エースでもあるか。あの1日100戦がなかったら強くもなってないかもしれない。私も私で後半参加してたし…まぁまぁな動きができるのはそれのおかげである。

「………ん？ちょっと待って。」

「ん？」

「達って………何？」

「何って、なんだ？」

「あんた…まだ兄弟がいるってこと？」

「ああ。いるぞ。」

…あ、待って。これ……私みんなにルフィがお兄ちゃんだってこと言ってない。

「…………まさか。」

ナミと目があった。げ、何で分かんの！？この反応を見て、やけに落ち着いてる私が目に入ったんだろう。ナミが私を見たもんだから、みんなも私に注目し始めた。…なんか緊張するな。

「おう、なまえはおれの妹だ。」

「「「「「「「ええええええええええええええええええええええ！！！！！？」」」」」」」

デジャヴ。この間副船長だってカミングアウトした時よりもリアクションが大きい。そりゃそうか、規模が違うもんな。

「………えへ、言って…なかったね。」

「え、えへじゃねぇだろ！！」

「なんでもっと早く言ってくれなかったのよ！！！」

「…どーりで息が合うと……」

「好みも技も熟知してたのはそれでか…」

ウソップとナミに全力で突っ込まれた。そーか、こんなに驚くもんなんだね。

「………ったく、あんたねー…こういうことはもっと早く言いなさいよ。」

「言って何かが変わるの？」

「そうじゃねぇけど！！お前ェは謎が多すぎるんだよ！！」

…確かに。自分のことについて必要ないことや聞かれてないことはあまり話してない。サンジに好物を言ったりとか、ウソップやチョッパーに遊びを教えたりとかはしてるけど。生い立ちとかどこで育ったとか…トリップしてきたとかネックレスのこととか能力のこととか…隠すことがいっぱいで無意識に避けてたのかも。副船長とかのこともあるしね。