第26章 兄弟
「あなたにしか頼めない重要な仕事があるわ!」
「クエ!!?」
「このまま北のアルバーナへ先行して父にこの手紙を!これにはクロコダイルとB・Wの陰謀、イガラムと私が調べ上げたすべてが記してあるわ。そして私が今生きてこのアラバスタに心強い仲間と共に帰ってきてるってことが……できる?一人で砂漠を超えなきゃ。」
「クエ!!」
いいお返事をしたカルー。さっき買ったお水から小さめのボトルに入れてカルーに渡す。
「…いい?砂漠ではお水は大切に飲むのよ。……じゃあ父に伝えて!!この国は!救えるんだって!!」
「クエッ!!!」
手紙を受け取り、上着も装着し、お水も口元に設置して準備万端である。ヒビのGo、の合図で走り出したカルーであるが…分かってるのか分かってないのか、水をすごい勢いで飲み始めた。
「お水は大切に飲みなさいっ!!」
ヒビの声は聞こえたのだろうか。今からあの勢いで飲むと、砂漠に着く前に喉が乾いてしまうのではないかと心配になるが…まぁ大丈夫だと信じよう。
「おめぇもだよ!!!」
「バカ野郎、せっかく買った水を!!」
こっちもこっちで問題が起きていた。そんなに喉が乾いてるの?さっきも飲んでたし、そんなに飲まなくてもいいのでは…暑いからかな。
「……それより、さっきの人!誰なのよ。」
「あぁ、おれ達の兄ちゃんだ。」
ナミが早速本題に入る。何か少しだけど緊張しちゃうね。兄だって堂々と言えることに。ルフィだってそうなんだけどさ。
「「「兄ちゃん!?」」」
「まぁ別に兄貴がいることに驚きゃしねぇがよ。何でこの“偉大なる航路(グランドライン)”にいるんだ。」
「海賊なんだ。“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を狙ってる。エースはおれより3つ上だから、3年早く島を出たんだ。」
「しかし、兄弟揃って“悪魔の実”を食っちまってるとは…」
「うん、おれもびびった。ははは」
そうだね、3年前は悪魔の実なんて食べてなかったし…生身でもめちゃくちゃ強かったもんね。今、どんだけ強くなっているんだろうか。