第26章 兄弟
「…しかし、美女3人に比べておめぇらときたら…海賊をカモフラージュしてもせいぜい盗賊だぞそりゃ!」
「てめぇとどう違うんだよ。」
私は男達の服装も好きだけどね。確かに見方によっちゃ盗賊とでもとれるけど、さすがサンジセレクト。それなりにオシャレで個々に似合ってるのである。
「ん?チョッパーお前何やってんだ?」
「鼻が曲がりそうだ。」
「…そうか、トニー君は鼻がききすぎるのね。『ナノハナ』は香水で有名な町なのよ。」
「香水?」
「中には刺激の強いものもあるから…」
「これとか?」
「ウオオやめろ!!お前ェ!!!」
やめればいいのに、チョッパーの目の前で香水をかけてみせるナミ。私にとってはこの香水はいいにおいだと思うんだけどな。花石鹸。
「フ〜〜〜〜、奈落の底までメロリンラブ♡」
「アホかてめぇ。」
「あァ!!?」
香水をかけるナミを見てメロメロと崩れ落ちてたサンジにボソッ、と突っ込んだゾロ。本当に小声だったのによく聞こえたな。
「とにかく、これでアラバスタの砂漠を超えるための物資は揃ったわけだ…ビビ、これからどこへ向かうって?」
「ええ…まず、何よりも先に“反乱軍”を止めたいの!またいつ暴動を起こして無駄な血が流れるかわからない。そのためにリーダーのいる“反乱軍”の本拠地、『ユバ』というオアシスを目指すわ。ユバへ行くには…」
「待て、隠れろ!!」
「え。」
言葉を遮ってゾロがビビの腕を引っ張って隠れさせる。よく耳をすませば、町の方で何か騒がしく海軍が動き回っていた。
「海軍だ。何でこの町に……!?…しかもえらい騒ぎだぜ…海賊でも現れたか。」
隠れながら除くウソップの頭に手をおいてそーっ、と除くと……確かに、誰かが海軍に追いかけられていた。……赤いベストに麦わら帽子…
「「「「お前かーーーーっ」」」」
「よう!!ゾロ!!!」
「なにィーーーっ!!!?」
一番隠れろと言っていたゾロが最初に見つかった。てかなんでルフィはこっちに向かってくるの!?バカなの!?