第4章 山火事
「…よし、これからルフィ対なまえの決闘を始める!勝負は1本、始め!!」
ノリノリで声を上げるサボ。合図によりルフィが勢い良く私の方に向かって腕を振り回し始めた。
「“ゴムゴムの〜〜”……あ!避けるなよ!」
「ルフィ、動かない敵なんていないんだよ?」
もし当たったら絶対痛い。ので、ルフィの技名が出た瞬間横に動く。そっから上手くは入らないだろうけど、横蹴りを繰り出す。ルフィのゴムは伸び切ってきたので、そこから動くことができなかったらしく私の蹴りはもろに当たってしまった。
「1本!それまで、なまえの勝ち!」
「……あら〜、勝っちゃった。ごめんね、ルフィ。」
「くそ〜〜〜くやじい!!!」
「マジかお前。なまえにも負けんのかよ。」
「私も予想外だった。でも体力的にはルフィの方があるだろうね。」
「それはな。…んじゃ、そろそろ夕飯の調達に行くぞ。なまえは帰れ。」
「…はいはい、いってら〜」
狩りはさすがに参加はできない。ので、一旦家に戻る。ここから家までそう遠くないので、大丈夫だろう。いやー、それにしてもコルボ山の過酷な環境が3人を強くしてんだなって思うと感謝だよね。もうしばらくしたらきっと裏町から帰ってくるだろうからいつもの海岸へ向かおうかな。
そろそろお昼時。海岸へ向かうと、何やら騒がしかった。
「なんだよ何も隠してねぇよ!!」
「あ…そうなのか?」
「そうなわけねぇだろ!!話せサボ!!!おれ達の間に秘密があっていいのか?話せ。」
「話せ。」
「話せよてめぇ!!ブッ飛ばすぞ!!!」
何やら修羅場?サボの首を二人して締め上げていた。
「…なに、どうしたの?」
「お、なまえ!」
「こいつがな、おれらに隠し事してて今吐き出させるところだ!」
「…ふーん、何?」
じっ、とサボを見つめるとサボは観念したように話しだした。ついさっきまでいた端町で話しかけられた男の人についてと、サボの生い立ちについてだ。
「貴族の息子!!?」
「誰が!?」
「……おれだよ…!!」
「「で?」」
「お前らが質問したんだろ!!」
2人は興味なさげに鼻をほじりだした。行動まで一緒とか仲良しかよ。
「貴族ってことはさ、サボは高町育ちなの?」
「……そうだ。」
「……高町ってなんだ?」