第25章 仲間の印
「とにかくしっかり締めとけ。今回の相手は謎が多すぎる。」
「なるほど。これを確認すれば仲間を疑わずに済むわね。」
「そんなに似ちまうのか?その…“マネマネの実”で変身されちまうと……」
カルーが包帯で遊ばれてたので、私が巻いてやる。指がないと難しいよねー、わかるわかる。私なんて指あるけど巻けないのに。
「そりゃもう“似る”なんて問題じゃねぇ。“同じ”なんだ。」
「そうそう、声、顔、体格、すべて一緒。一緒過ぎて恐怖感じるよ。」
「おしいなーお前。見るべきだったぜ。おれ達なんか思わず踊ったほどだ。」
「おれァオカマにゃ興味ねぇんだ。」
カルーの包帯を巻いた後、近くにいたサンジに私のを縛ってもらった。ありがたみ。
「あんな奴が敵の中にいるとわかると、うかつに単独行動もとれねぇからな!!」
「なぁ、おれは何をすればいいんだ!?」
「できることをやればいい。それ以上はやる必要ねぇ。勝てねぇ敵からは逃げてよし!!精一杯やればよし!!」
「おれにできることか…わかった!!」
「お前それ自分に言ってねぇか?」
サンジが渋い顔をしてウソップに突っ込む。まぁ自分にも言い聞かせるように言ってるんだろうな。これは、私にも当てはまることだろう。今回ばかりは逃げてばっかりじゃだめだ。しっかり、ビビの為に戦わなくちゃ。アラバスタへ着く前に、そういう話をナミとしていた。だが、ナミは自分でウソップに武器を作ってもらうように頼み、自分で調達していたのだ。私も頑張らなくちゃ。
「港に近づいてきたぞ。」
「西の入江に止めましょう。船を隠さなきゃ。」
「よし!
とにかくこれから何が起こっても、
左腕のこれが仲間の印だ。」