第25章 仲間の印
どうしてそこまで詳しく知ってて、Mr.2と気が付かなかったのか。ビビは意外とそういうが苦手なのか?先にどういう人達かを聞いとけばよかったね。
「…さっき、あいつが見せた過去のメモリーの中に…父の顔があったわ…!!あいつ一体…父の顔をつかって何を……!?」
あぁ、それでか。さっき驚いた顔をしてたのは、ビビのお父さんが出てきたからか。
「………てめぇが例えば王になりすませるとしたら…相当よからぬこともできるよな…」
「そりゃ厄介な奴を取り逃がしちまったな。」
「あいつ敵だったのか…?」
「確かに…敵に回したら厄介な相手よ…!!あいつがこれから私達を敵と認識しちゃったら………!!さっきのメモリーでこの中の誰かに化けられたりしたら…私達、仲間を信用できなくなる。」
そうだよね。顔も声も体格も一緒で、おまけに服まで揃えられたら気づけないかもしれない。それはそれでとても恐ろしいし、仲間を信用できないなんてやだ。
「そうか?」
「あのねぇルフィ…」
「まぁ待てよ。確かにコイツの意見にゃ根拠はねぇが、あいつにビビる必要はねぇって点は正しい。今あいつに会えたことをラッキーだと考えるべきだ。…対策が打てるだろ。」
ゾロがニヤリと悪そうに笑った。
「ニャーーーーッ!!!」
「なんか出たァ!!!」
「海ねこ!!!」
気候が暑くなって安定してきた頃、海から大きな海猫が出てきた。もうすぐアラバスタへ着くってことだよね。それにしてもこのネコ、でかい。
「4日ぶりのメシだぁ!!!」
「メシだぁ!!!!」
船の後ろでギャーギャー言ってる男たち。私はね、怖くて甲板に避難してます。大きいの無理、怖いです。
「進路よし…と、そろそろ着いてくれないかな…」
「やっとだね、ナミ。長かったねぇ…」
「そうね、色々時間食っちゃったし。」
「まだ言ってんの?チョッパーが仲間になったんだから結果オーライだよ。」
「…………そうね。ありがと。」
ナミったら、自分のことになるとないがしろにするんだから。……ん?後ろが騒がしくなくなった。そ〜、と振り向くと、なんとさっきまでいたネコがいなくなってた。逃しちゃったのかな。せっかくのご飯…あぁ、お腹空いたな。
「………よし、いい感じ。」
ナミが少しガッツポーズをした。そして後ろへ移動したので私もついていく。