第24章 冬島に咲く桜
「…何だろう?お城の中が騒がしいね。」
「まったくヤボなんだから…人の別れの夜にどうして静かにしててあげられないのかしら。」
「………おい、来たぞあいつが!?」
「え!!?どういうこと!!?」
「追われてるっ!!!」
ソリを引っ張ってチョッパーが走ってきた。後ろからはナイフを投げて追うDr.くれはが…
「みんなソリに乗って!!!山を下りるぞぉ!!!」
「待ちなぁ!!!」
「「「「「んな、何ィ〜〜〜〜〜〜っ!!?」」」」」
とにかくも説明を聞くこともできずみんな一斉に走ってきたチョッパーのそりに乗り込む。サンジはナミとビビがどうにか転がり入れ、ルフィは私の手に捕まり、私は落ちないようにゾロとウソップに支えられる。ロープウェイから下に下りていった。お城の前まで来てたDr.くれはが少し寂しそうに見えたのは私だけか。
「うはーーーーっ!!!いい〜〜〜気持ちだったァ!!おい!!おもっかいやってくれ!!」
「バカッ!!出航するのよもう!!」
「し!!し…死ぬかと思った…」
「心臓が…体が浮いた………」
「っぬお!!!ん!?ここはどこだ!!?」
「あ、サンジさん気がついた!?」
ロープウェイで下に無事に下りた私達は、船へ行く途中の森で砲撃を聞いて少し止まった。
何だ何だとみんな空を見る。空一面にピンク色の粉が舞っていた。それはとても温かい色で…あぁ…これか、Dr.ヒルルクがみんなに見せたかったものというのは。病気に侵されているこの国を治そうとしたDr.ヒルルクの努力の結晶、実験の結果。チョッパーは涙を流しながら空に吠えている。ただの雪にピンク色の粉が付着して、キレイだな、と思った。少し懐かしく思ったそれは、ただの色付きの雪なんかじゃなくて…
桜に、見えた。