第24章 冬島に咲く桜
「…コート着てサンジ連れて今のうちに逃げ出せってさ…」
「私にも…そう聞こえた。」
「……不器用な人なんだね。」
Dr.くれはの言うように、隣の部屋からコートを拝借した。ドルトンさんに別れをいい、サンジはナミとビビにまかせて私はロープウェイの準備をしてもらう為に外へ向かった。
「おーーい、トナカイ〜〜〜っ!!」
外に出ると、ルフィがチョッパーをまだ探していた。チョッパーはずっと逃げ回ってたみたいだ。
「一緒に海賊やろうーーっ!!!」
「…おいルフィ。もう諦めろよ、これだけ呼んでも探しても出てこねぇんだ。」
「海賊になりたくねぇんだよあいつは。」
「それは違うぞ、おれはあいつを連れていきてぇんだ!!」
「だからそれはお前の都合だろうが!!!」
…チョッパーは海賊になりたくないわけではないんだろう。でもそれを決めるのはチョッパーだから、やっぱり出てくるのを待つしかないのだろうか。ぼふっ、と積もった雪に座る。
「お、#NAME1…って、何でここにいんだよ!!?」
「どーも、ウソップ。進展はしてる?」
「…………いんや、出てこねぇな…」
「…そっかぁ。ルフィ、諦めないんでしょ?」
「諦めねぇ!!トナカイーーーーッ!!!トナカイ〜〜〜〜〜っ!!」
「………………あ。」
呼び続けたかいがあってか、チョッパーがやっと出てきてくれた。しかし表情は暗い…
「あ、トナカイ!!!おい、お前一緒に海賊やろう!!」
「…無理だよ…」
「無理じゃねぇさっ!!!楽しいのにっ!!!」
「意味わかんねぇから。」
「おれは…お前達に…感謝してるんだ!!」
「だっておれは………トナカイだ!!!角だって…蹄だってあるし……!!青っ鼻だし……………!!!そりゃ…海賊にはなりたいけどさ…!!おれは“人間”の仲間でもないんだぞ!!バケモノだし…!!!おれなんかお前らの仲間にはなれねぇよ!!!…だから…お礼を言いに来たんだ!!!誘ってくれてありがとう…おれはここに残るけどいつかまたさ…気が向いたらここへ」
「うるせぇ!!!いこう!!!!」
うるさい、ってどうなのよってのはあるけど…はっきりすぱっ、と言ってくれたおかげでチョッパーの迷いもなくなっただろう。これでいいのだ、ってね。
「おお!!!」