第23章 名前のない島
「…こりゃ酷い。死にかけてる。チョッパー…フェニコールと強心剤、それにシアルシリン用意しときな!!」
「感染してんの?」
「…ああ、この島の病原体じゃないよ。」
「…あの!!ナミはケスチアにかかってて…」
「わかってるさね、お前もすぐベットへ寝てな!!チョッパー、案内してやりな。」
「…うん。」
見ただけでなんの病気か分かるなんて…医者は医者だけど、結構腕のいい医者なんだろうな。信頼できそうだ。
「ありがとうございます。お願いします、治してください。」
「こっちだ。」
チョッパーがドアを開けて待ってた。私より3人の治療を優先してほしかったんだけど、どうもそうも行かないらしい。もしかしたら、さっきのおばあさんがやってくれるのかも。
「………えっと、君は…医者?」
「…………そうだよ。」
「……凄いね。やっぱり、悪魔の実?ゾオン系の…」
「おれはトナカイだ。」
「…あ、ごめん。」
反射で謝ってしまった。なんか怒ってる気がして…これ以上話しかけるのはやめとこう。チョッパーが案内してくれた部屋のベット寝転ぶ。
「体、触るよ。」
「………あの、中にあるのはろうそくで…あ、えっとろうの能力者にろうを吸わされて多分肺に入ったんだと…思うんだけど。」
「……本当だ。腫瘍にしては形が変だし硬さもない。待って、薬を渡すよ。」
大きい棚から小瓶をいくつか取り出して、私に1つ渡してくれた。
「最初、肺に熱を持つから…痛いとは思うけど我慢して。ここに3日分置いとくから、1日1回飲んで大人しくしてれば中のものはとれるよ。」
「……ありがとう。」
ちろ、っとこっちを向いて何かいいたそうとしてから部屋を出ていってしまった。きっと、サンジの治療か何かをしてくれるんだろう。もうここでは役割は終わった。ありがたくお薬をもらうことにしよう。
「………え、待って痛い。」
飲んだと思った途端、胃までいかずに溶けてしまった。そしてそこからどんどん熱を持ってきて…あぁ、待ってキリキリする。…痛みで目の前が真っ暗になる。これは寝た方が楽なのではないか。ズキン、という激痛が走り、私は眠るように意識を失った。