第23章 名前のない島
「…あ、お城の人!……あの、こ…この私の仲間、助けてもらえませんか?ここまで医者を訪ねてこのドラムロックを登ってきたんです!!……………ゲホゲホ!!……ゲホっ…」
興奮して咳がまた出てきた。でも、せっかく宛がみつかったのに。助けてくれた人?は私の近くまできて、ひょいと私とルフィ達を持ち上げた。
「え!?な、なんですか!?」
ちょっと焦ったが、お城へ向かってくれているところをみると医者に見せてくれるみたい。
「なんだい、チョッパーそいつらは。」
あ、普通の人がいた!おばあちゃんだ。この寒いのにお腹を出して軽装の…あ、普通じゃなかったわ。……待てよ、この人がみんなが言ってた魔女なんじゃ…じゃあ医者ってことだよね?
「あ、あのっ!!お医者さんですよね!?助けていただけませんか!?仲間が…」
「あーあー、見ればわかる。それよりどうやってきたんだい?」
「ド、ドラm……」
「ドラムロックを登って来たんだって。」
口を塞がれた。何故だ。説明は動ける私だけの取り柄なのに。…しかし、チョッパーと呼ばれた人、もふもふで暖かくてめっちゃ気持ちいい。
「この山を素手で登って来た!?標高5000mのこのドラムロックを!!?」
口は塞がれてるため、精一杯頭を縦に振って肯定の意思を示す。
「こいつは全身凍傷になりかけてる、こんな格好で何のつもりだ!!すぐに湯を沸かしてぶち込んどきな!!」
「こっちは出血が酷いんだ。アバラ6本と背骨にヒビ。おれが手術していい?」
…やっぱりチョッパーもお医者さんだったんだね。私を地面において、チョッパーはしゅるしゅると小さくなった。ちょうど私の膝辺りまで。
「…………悪魔の実?」
「……この子は肺に結晶か何かあるみたい。咳が変だった。レントゲン取ったほうがいいかも。」
「……あ、えっと、私の中にあるのはろうで…それより私は後で大丈夫です!1番に診てほしいのはこっちで…」
私の質問には答えてくれなかった。というか、私の咳が変だったということがあの一瞬でわかるなんて…