第23章 名前のない島
そうなのだ。血だらけで気を失ってるサンジが降ってきたのだ。上を見ると…すぐそこにルフィが見えた。
「ルフィ!!よかった、追いついた!!」
「……ふー…、なまえ?お前…どうやって?」
ナミはまだ生きているようで少し安心した。だが、もうずっとここを登ってるだろうルフィの爪は剥がれ落ちてボロボロで…みてるだけで痛々しい。
「……ルフィ、私も協力する。私に掴まれる?サンジも…持ってもらえた方が嬉しいけど。」
「………はぁ、どうやっ…?」
ルフィにギリギリまで近づく。手を離してもらって、登って残った氷の上に着地する。ルフィが私の腰に手を回してくる。え、待ってめっちゃ手が冷たい。というか、これ大丈夫かな…
何時間たっただろうか…さっきも言ったなこれ。でもやっぱり時計無いと時間感覚がなくなるね。ルフィはとっくに気を失ってるし、寒さなんてものはなくなったしで…ナミ達はちゃんと背負ってくれてるから心配ないんだけど、ルフィの手が離れそうで怖い。
「…………ハァ………頂上に…着いた…」
キレイな城…適度に雪が積もってて、太陽はあるのかないのか分からないけど、何故かキラキラ光ってて…さすが雪国のお城って感じ。
「……ルフィ、着いたよ…………ゲホ、ゲホゲホゴホッ!!」
…ヤバイ、これまたアカンやつではないのか。そう思って腰からルフィを落とし、膝をつく。
その途端…
ボコッ…!!
「ぎゃっ!?ヤバっ……!!」
ドラムロックの端に座ってしまったのが悪かったみたいで、雪ごと端がかけてしまった。ここまで登ったのに…落ちる!!と思って目を閉じた…が、手を掴まれた。
「えっ…………」
大きな人…ではない。体にもこもこの毛皮があり、 頭には角と帽子がついていた。見た目雪男的な感じなんだけど…
「……………えっと…こ、この城の人…?ですか?」
助けてもらった上、失礼なことを言わないように細心の注意を払う。もしこの城の人?だったら医師であり、ナミ達を助けてもらわなくちゃ。少しの沈黙…そしてその人?はコクンと頷いた。