第23章 名前のない島
「じゃ、いくか!!サンジ!!!ナミが死ぬ前にっ!!」
「縁起でもねぇこと言うんじゃねぇ!!このクソ野郎!!」
縁起もクソも、あと2日後にナミは死んじゃうから。2人共責任重大だけど、大丈夫だと思う。というか、あの絶壁をどうやって登るのだろうか…
「本当に大丈夫かね…」
「まぁ…あの2人は心配ねぇが。」
「ナミさんの体力がついていけるかどうか…!!無事につけるといいけど…」
さ…寒い。ルフィ達が行ってから何分経ったのだろうか、動いてないせいで体がカチコチに固まってきた。というか、震えが止まらなくなったといったほうが正しい。
「…どうした君達、中へ入りたまえ…外は寒い…」
「…いいです…私は…外にいたいから…!!」
「おれも。」
「…………そうか。」
ずびっ、と鼻をすする。ヤバイ、鼻水出てきた。2人が帰って来たときに、すぐに出迎えられるように外にいるんだろうか…律儀だねぇ。
「…………ケホケホ…うっ…………?」
……あれ?なんか、息が吸いづらい。冷気が入ってきて咳する、とかはよくあると思うんだけどそうじゃなくて。なんか…肺の中から固まっていくような……………あ、もしかして、肺の中に入ったろうが固まっちゃって、肺面積が小さくなった…とか。…え、もしそうだったら怖い。……部屋の中にはいらしてもらおう。
「…ビビ、ごめん…私部屋に……………………ひゅっ………!?」
「…なまえさん!?」
ヤバイヤバイヤバイ、これは過呼吸になる!!慌ててしゃがんでじっ、と雪を見て落ち着こうとする。生理的な涙が出てきて、辛くなる。やっぱり、ウソップの火炎星でろうを溶かしてもらうべきだったかなぁ…
「なんだどうした!!?おい!!」
「………過呼吸になりかけてるわ!!」
「…………ろう…」