第23章 名前のない島
「…よろしくっ」
高い熱があり、寝てても頭がぐわんぐわん言ってるほど辛いはずなのに。大方、ビビの為に、私達の進路をこれ以上外さないように早く直さなきゃとか思ってるんだろうなぁ…
「そうこなきゃな!任しとけ!!」
手を出したナミにパシンっ、といい音をたたしてルフィは叩いた。ルフィだけじゃ心配だ。
「…あっきれたぜ。船長も船長なら航海士も航海士だ!!」
「自分の体調わかってんのか!?ナミさんっ!!」
「おっさん、肉をくれ!」
「………肉?」
「ナミさん本当に大丈夫!?何時間もかかる道よ。」
「…サンジ、一緒に行ってあげて。」
「お安い御用だ。ルフィ、おれも行く!!!」
あまりにも心配だったからサンジについて行ってとお願いしたらすんなり引き受けてくれた。まぁ愛するナミさんの為だし、サンジも同じく心配なんだろう。
「お前が一度でも転んだらナミは死ぬと思え!!!」
「えっ!!!一度でもかっ!?」
ルフィに十分脅しをかけ、ナミへの負担を少しでも減らせるようにするウソップ。本人はそんな自覚ないかもしれないけど。時間は早いほうがいい、さっそく見送りのために外へ出る。
「待って…じっとしてて………!!ちゃんと縛っておかなきゃ…」
ビビがナミをおんぶしたルフィの腹をきちんと縛る。ドルトンさんの刀を借りて、それに座ってるように寄りかかるナミ。
「これでいいわ。私はここで待たせてもらうから!かえって足を引っ張っちゃうし。」
「おれもだっ!!!」
「私も今回はお留守番。ルフィ、サンジ、ナミをよろしくね。」
「わかった!ナミ、じゃあしっかり捕まってろよ!!」
「うん………」
「…本気なら…止めるつもりはないが、せめて反対側の山から登るといい…ここからのコースには“ラパーン”がいる…!!肉食の凶暴なうさぎだ…集団に出くわしたら命はないぞ!!」
「うさぎ?でも急いでるんだ…平気だろ。なァ。」
「あぁっ、蹴る!!!」
蹴るのはいいけど、ナミを背負ってるルフィは絶対に激しい動きをしちゃだめだよ。衝撃が直にナミに伝わってきちゃうからね…そこんとこわかってんのかなぁ。