第23章 名前のない島
「でもそんなおばあさんがどうやってあの山から…?」
「妙な噂なんだが…月夜の晩に彼女がそりに乗って空を駆け下りて来るところを数名が目撃したと言う話だ…“魔女”と呼ばれるゆえんだ……それに…見たこともない奇妙な生き物と一緒にいたという者もいる…」
「ぐあっ!!やっぱりか!!出た!!ほらみろ!!雪男だ!!!雪山だもんなー!!!居ると思ったんだ、魔女に雪男だと!!?ああ、どうか出くわしませんように!!!」
いや、出くわさなきゃナミの病気は治らなでしょ。…思ったけど、雪男じゃそり押せないんじゃない?やっぱりここはトナカイでしょ。…でも見たことない、っていうのが引っかかるなぁ
「確かに唯一の医者ではあるが、あまり関わりたくないバアさんだ。次に山を降りてくる日をここで待つしかないな…」
「だいたいよ、国中で医者が1人なんておかしすぎるぜ!!!」
……そんな待ってられない。あと2日しかないんだ。やっぱり自分達で行くべきだよね。
「…ルフィ、行けるかな……」
「………。おい、ナミ!!ナミ!!聞こえるか?」
「「「で、お前は何をやってんだーーっ!!!」」」
ルフィに相談しに行ったら、ルフィがナミの頬を叩き出した。
「…ルフィ?」
「…………ん、………」
「お!起きた。」
「あのな、山登んねぇと医者いねぇんだ。山登るぞ。」
まじで?確かに医者にはやばく見せたいし待ってる時間もないけど…大丈夫かな……
「無茶言うなお前、ナミさんに何さす気だァ!!!」
「いいよ、おぶってくから。」
「それでも悪化するに決まってるわ。」
だよね、悪化するよね……行くときはいいかもしれないけど、登るときなんてどうやって登るの…
「何だよ、早く診せた方がいいだろ。」
「それはそうだけど無理よっ!!あの絶壁と高度をみて!!!」
「いけるよ。」
「てめぇが行けてもナミさんへの負担はハンパじゃねぇぞ!」
「でもほら…もし落っこちても下は雪だしよ。」
「あの山から転落したら健康な人でも即使よ!!!」
「常人より6度も熱が上がった病人だぞ!?わかってんのかお前っ!?」
「…ふふっ」
ビビとサンジが無茶を言うルフィにあわてて弁解をしてたところ、無理やり起こされたナミは笑った。