第23章 名前のない島
「“魔女”か…………窓の外に…山が見えるだろう…!?」
「あぁ…あのやけに高い…」
「………何この雪だるま。」
山っていうのは多分ここに来るときからずっと見えていたやつだろう。だが、窓から見えたのはなんともいえない表情をしてる雪だるまであった。
「“ハイパー雪だるさん”だ!!!」
「雪の怪物“シロラー”だ!!!」
「てめぇらブッ飛ばすぞ!!!」
家にいないと思ったら、外で雪だるま作ってたのね。ウソップのは例のごとく雪だるまではないんだけども。サンジは2人の作ったものを壊しに出ていってしまった。
「あの山々の名はドラムロッキー。真ん中の一番高い山の頂上に城が見えるか?今や…王のいない城だ…」
「あぁ…確かに見える。」
「あのお城が何か…?」
「……もしかしてあそこに…」
「そう、人々が“魔女”と呼ぶこの国の唯一の医者、“Dr.くれは”があの城に住んでいる…」
Dr.くれは…唯一の医者ってどういうことだろうか。それじゃ街の人たち困んないのかな。てか移動手段どうするんだろう。
「何!?よりによって何であんな遠いとこに…じゃあ…すぐに呼んでくれ!!急患なんだ。」
「そうしたくとも通信手段がない。」
「あァ!?それでも医者かよ!!?一体どんな奴だ!!」
「医者としての腕は確かなんだが、少々…変わり者のバアさんでね。」
「ひゃ…140!!?そっちが大丈夫か!?」
「あと…そうだな…梅干しが好きだ。」
いや好きな食べ物は聞いてないです。…140って凄いな。日本だったら記録更新してんじゃないの?
「この国の人達は病気やケガをどうしてるの!?」
「彼女はきまぐれに山を降りてくる。そして患者を探し、処置を施しては報酬にその家の欲しい物をありったけ奪って帰っていく。」
「そりゃタチの悪いババアだな。」
「おいおいまるで海賊だな。」
海賊のあんたが何で怒ってんの。欲しい物をありったけに…っていうのが凄いよね。さすが、年を重ねてるだけあって抵抗がないのかな。