第23章 名前のない島
「なんか変な動物が歩いてんな。」
「さすが雪国だぜ。」
カバみたいな大きさのもふもふした動物があるいている。物を運んでいるところをみると、砂漠で言うラクダみたいな生き物だろうか。
「じゃあみんなごくろうさん。見張り以外は仕事に戻ってくれ。」
「一人で平気かいドルトンさん。海賊だぞ。」
「彼らにおそらく害はないよ。長年の勘だ、信じてくれていい…」
「…やっぱり民間人だったんだね。」
「ひとまずウチにきたまえ。」
ドルトンさんの家に案内してくれるらしい。意外に良い人なんだな…病人いれたら蔓延しちゃうのに。寒いからそのほうがありがたいけど。
「あらドルトンさん、海賊が来たと聞いたわ。大丈夫なの?」
「ええ、異常ありません。ご心配なく。」
え、待ってルフィとウソップなんで女の人にお辞儀してるの?ハイキングベアと思ったのかな、めっちゃ笑うんだけど。
「やぁドルトン君、2日後の選挙は楽しみだな。みんな君に投票すると言っとるよ。」
「と…とんでもないっ!!私などっ!!!私は罪深い男です…!!!」
ドルトンさん家へ行く途中、多くの人に声をかけられていた。人気なんだね、ドルトンさん。みんなから慕われてるんだろうな。
「そこのベットを使ってくれ。今部屋を温める…申し遅れたが…私の名はドルトン。この島の護衛をしている。我々の手荒な歓迎を許してくれ。」
「ありがとうございます。」
私はナミを背負っていたサンジを呼び、ドルトンさんのベットへ誘導する。そっ、とベットにナミを横たわらせ楽な態勢を取ってもらう。
「体温が…42度!!?」
「3日前から熱は上がる一方で…」
「これ以上上がると死んでしまうぞ…」
「…うん、でも病名は分かってるんです。ケスチアっていう病気で……これを治すための抗菌剤とかを持ってないから……」
「何でもいいから医者がいるんだ。その“魔女”ってのはどこにいんだよ!!」
部屋が暖かくなってきた頃、ナミの症状などをドルトンさんに説明をする。薬を出してくれるのなら最悪魔女でも何でもいいから助けてほしい、ということが本音ではある。