第22章 ケスチア
そしてナミが倒れてたから丸一日。気候が変わって冬になった。船の中にいても寒くコートが必須である。でも、気候が変わったってことは次の島が近い証拠だから……なんとか間に合って、そう願うしかない。
「ビビちゃんどうしよう、ナミさんの熱が引かねぇよぉ!!」
「サンジさん、カルー!!暴れないでったら!!」
「…ったく、あまりに騒ぐようなら出てってもらうからねサンジ。」
「了解です!なまえちゃん!!」
とりあえず昨日サンジには、一般的な病人食を作ってもらった。普通の熱と同じ扱いでいいと私が言ったからだ。だって、スマホによるとケスチア…ツツガムシってインフルエンザと同じような症状だったから。抗菌剤なんてもってないし、変な薬飲ませるよりいいと思って。
ぐらぁ…!!
その時外で物凄い音とともに船が揺れた。立ってられないほどの揺れで、私はそのまま本棚に激突してしまった。
「何なのこの揺れはっ!!!」
「しっかり舵とれよ、ナミさんに何かあったらオロすぞてめぇらぁ!!」
サンジはさすがで、ナミのベットごと軽々と持ち上げ足で揺れを止めた。片手片足で…すごいな。私は頭が痛いけど。
「ビビちゃん達、ここを頼むっ!!」
「ええ、」
「あ、ありがと…」
部屋の外へ出るついでに、本棚に突っ込んで尻もちついてた私を引っ張り上げてくれた。優しい。
「……なんか、やな予感しない?」
「…ええ、でもサンジさんが見に行ってくれたから……私達はナミさんを見てましょう。」
「………………うん。」
ドドドドトォン!!!
「っっわっ!?」
「銃声……!!?なまえさん!!ナミさんをみてて!!すぐ戻るから!」
「だめだよ!!外行ったら危ない!!……もー…行っちゃった…ビビはいつもそうなの?カルー。」
「クエー…」
「…そっかぁ…困ったもんだな。」
銃声聞いても外行くなんて凄いよね。私は怖くて外になんて行けないのに。というか、ルフィ達がいるから大丈夫だろうっていうのもあるんだけどね。しばらくして、銃声や激しい音が聞こえなくなった…多分敵襲か何かだったんだろう。後ろから足音がいっぱい聞こえてちょっと身構えたが、みんなだった。