第22章 ケスチア
「どうしたんだよ、みんな集めて。」
各々過ごしてたみんなを甲板に集めた。でも、これはみんなに言うべき大事なことだから。
「ナミの病気がわかった。」
「「「「ええ!!?」」」」
「さっき調べた本には無かった…だけど同じような病気で新たに調べてみたら見つけた。……ケスチアって病気知ってる?」
「いいえ、知らないわ。…初めて聞いた。」
実はビビがいなくなったあと、スマホで調べちゃったんだよね。ケスチアって私達日本ではツツガムシっていう人獣共通感染症として本当にあるらしい。
「虫の名前なんだけど…多分生息からしてリトルガーデンで噛まれたみたい。さっきナミのお腹に噛まれた跡を見つけた。ケスチアは有毒のダニで、刺し口から侵入して体の中に5日間潜伏する。症状は、40度以下には下がらないような高熱、重感染、心筋炎、動脈炎、脳炎…」
「どうやったら治るんだ?」
「抗菌剤作用があるフェニコールとチアルシリン、強心剤とかあれば…でも1番は抗生剤を打つこと。でも、それは医者じゃないとできない。私達じゃどうにも…」
「ん?待て待て」
「何?」
「5日潜伏するダニなんだろ?5日しかいないんだったら放っといても治るんじゃねぇか?」
「……………それは……」
「え、何だ、どうした?」
「……5日…経つとね………その……う、…………ひっ…」
ヤバイ泣いてしまう。泣いても説明しない限りはみんなわかんないのに、不安にさせてしまうだけなのに。それなのに、隣にいるビビは私の背中を優しく撫でてくれている。
「……5日経つと……ナミは死んじゃうの…」
「「「「えええええええええ!!!?」」」」
そりゃ叫ぶよね。まさか本当に死ぬような病気だと思わなかったよ私だって。
「しかも、もし……、もしお医者さんに見てもらっても…………ぐす、…これ、100年前の病気だから抗生剤持ってないかも…しれ、……知れない………」
「100年前だって!?なんでまた…」
「そうか…!リトルガーデンが100年前の時代の島だったから…」
「………どうしよう…次の島までどのくらいかかるのかな…」
「…………大丈夫よ、リトルガーデンから出て次の島まで2日もあれば辿り着くわ。」
そう、だといいけど。でも、1日でも早く医者を見つけてナミの熱を下げてあげたい。息も上がってるし、辛そうだから。