第22章 ケスチア
「おい、何だどうした。」
「アラバスタのことか!?ビビちゃん!!」
「そんなバカな…………!!!『国王軍』の兵士30万人が『反乱軍』に寝返った…!!?もともとは…『国王軍』60万、『反乱軍』40万の鎮圧戦だったのにこれにじゃ…一気に形勢が!!!」
「………これでアラバスタの暴動はいよいよ本格化するわ…3日前の新聞よそれ…ごめんね…あんたに見せても船の速度は変わらないから、不安にさせるよりと思って隠しといたの。」
そうか…自分のせいで医者を探すため、進路を変えてアラバスタにつくスピードが遅くなるのを止めるために見せたのか。
「…わかった?ルフィ。」
「………!大変そうな印象をうけた。」
「そういうことよ。思った以上に伝わってよかったわ。」
「でもお前、医者に診てもらわねぇと…」
「平気。その体温計壊れてんのね…40度なんて人の体温じゃないもん。きっと日射病か何かよ。医者になんてかかんなくても勝手に治るわ……とにかく、今は予定通り…まっすぐアラバスタを目指しましょ。」
……………こんなの、駄目だ。ナミのペースに飲み込まれたら駄目だ。あんなに辛そうにしてる、あんなに汗をかいてる、あんなに弱々しいナミは見たことがない。そうとう体に響いてるはずなのに、無理して動いてる。
「心配してくれてありがとう。」
「おう、なんだ治ったのか…………」
「…………バカ、強がりだ。」
「……っ、」
「………?なまえちゃん、どう…」
「だめ。ナミ、寝てて。」
「…大丈夫、」
「大丈夫じゃない。ナミ、寝ろ。体温計は壊れてない。自分でもわかってるんでしょ、人間の体温じゃないって。40度なんて高熱でるのは確かに熱中症もそうだけど……ねぇお願い、私に診断させて。感染症のリスクがある…!!」
「感染症だなんて…なまえは大袈裟なのよ。」
「…………ナミ!!」
「…私が倒れたら誰がこの船を動かすの?」
ナミはそう言いながらゆっくりと部屋から出る。弱ってるナミは体の免疫力が普通のより格段に下がってるはずだからリスクが大きいのに!!