第22章 ケスチア
みんな元気だな…どうやって過ごせば熱出すことなく成長できるの?ヤバくない?…とにかく、ボーッ、と話を聞いていても仕方がない。確かこの辺にグランドラインの医学の本があった気がする…なんか症状が似てそうなものを探そう。
「あなた達一体何者なの!!?つらいに決まってるじゃない…!!!40度の高熱なんて…!!そうそう出るもんじゃないわ!!もしかしたら命に関わる病気かも知れない…!!!」
「「「ぎゃああああああ」」」
「ナミは死ぬのかァ!!?」
「ダビダン死らバイべーー!!!」
「あああああああっ!!」
「うろたえないで!!静かにっ!!!」
ああ、ああ、うっせぇな。病気になったことないから、大声がどんだけ病態に響くかわかっちゃいないんだこいつらは。
「医者を探すぞ、ナミを助けてもらおオオ!!!」
「……うるさい……病態に響く。これ以上騒ぐようなら蹴り出すよ。」
あ、思ったよりドスの効いた声が出た。3人がピタッ、と動きを止めてウソップは怯えたようにこっちを見てた。まぁいいや、静かになってくれるなら。
「………だめよ。」
「…あ、ナミ?」
「え…!?ナミさん。」
静かになったとき、ナミの声が響いた。多分さっきの騒ぎで気づいたんだろう。そして、まだだいぶ熱があるだろうに、起き上がった。
「おーーーーーっ、治ったーーっ!!!」
「治るかっっ!!!」
「なまえ、新聞…見せてあげて。」
新聞…あ、3日前にアラバスタ王国の変動が書かれていた新聞か。確かビビに見せまいと隠したんだったよね。
「………いいの?見せちゃって。」
「………いいから。」
ナミは辛そうに汗をかいてる。なんで見せるかわからないけど、ナミが見せろと言うのならば…私はナミの机の引き出しから新聞を出してビビに渡した。
「そんな…」
新聞を読み始めて程なく、ビビの表情が険しくなった。