第22章 ケスチア
「おそらく気候のせい…“偉大なる航路(グランドライン)”に入った船乗りが必ずぶつかるという壁の1つが、異常気象による発病……!!!どこかの海で名を上げたどんなに屈強な海賊でも、これによって突然死亡するなんてことはザラにある話。ちょっとした症状でも油断が死を招く。この船に少しでも医学をかじっている人はいないの?」
ルフィとウソップは2人してナミを指差す。確かにそのとおりである。私は普通の知識はあるつもりでも、医学となるとからっきし駄目だ。でも往診みたいなことはできるよ!
「でも肉食えば治るよ!!病気は!!なァサンジ!!!」
「そりゃ基本的な病人食は作るつもりだがよ………あくまで“看護”の領域だよ。それで治るとは限らねぇ。そもそも普段の航海中からおれはナミさんやビビちゃん、なまえちゃんの食事には、てめぇらの100倍気を遣って作ってる。新鮮な肉と野菜で完璧な栄養配分、腐りかけた食料はちゃんとおめぇらに…」
「オイ。」
「それにしちゃうめえよなぁ、うははははは」
ちゃんとおめぇらに、っていうところが凄いよね。でも死なないような食事にはしてくれてるんだろうね。サンジは料理については完璧だから。ちゃっかり私も新鮮な肉など食べられる中に入ってることに安堵している自分がいる。
「とにかくおれがこの船のコックである限り、普段の栄養摂取に関しては一切問題を起こさせねぇ。だが…病人食となるとそれには種類がある。どういえ症状で、何が必要なのか。その診断がおれにはできねぇ。」
「じゃあ全部食えばいいじゃん。」
「そういうことする元気がねぇのを“病人”っつーんだ。」
「よ……40度!!?また熱が上がった…!!!」
やっぱり上がってたんだね。こんな短時間でぐんぐん上がる普通の熱もあるけど…ナミの症状を見て、どっちかというと感染症になった確率の方が高い気がしてきた。でも、ここには男どもがいるから体を見るのも抵抗がある。
「アラバスタへ着けば当然医者はいるだろう?あとどれくらいかかるビビ…」
「………わからないけど1週間では無理…!!!」
「病気ってそんなにつらいのか?」
「「いや、それはかかったことねぇし。」」