第22章 ケスチア
「おめぇらの分はキッチンだ。」
「「うおおおおっ!!」」
サンジからおやつを受け取って食べる。プチフールって一口サイズのケーキのことだったんだね。しかも手で食べれるように工夫されてるし。さすが過ぎる…味もさすがすぎる。
「ビビ…ごめん、私ちょっと…部屋で…」
「いいわよナミさん。進路なら私が見てるから、部屋でゆっくり休んで……!?」
立ち上がって部屋に行こうとしたんだろう。しかし、力が抜けたように足が横になりそのまま倒れてしまった。さすがに様子がおかしい…
「…ごめんナミ、触るよ。…ヤバイ、熱出てる。」
しかも、ただの熱じゃない。一気にこれほどの高熱が出るものだろうか…慣れない気候のせい?でもナミは航海士だ。対処はしっかりしてそうだ。じゃあ感染してしまった線は?リトルガーデンで何かにかまれたとか。まぁ、とりあえずナミをベットへ運ばなくちゃ何も始まらない。
「サンジ!!!サンジ!!?」
「はい!!?なんだいなまえちゃ……ナミさん!!?」
キッチンへ戻っていったサンジを呼ぶのはちょっと申し訳なかったが、具合が悪そうなナミを被害最小限にベットへ運んでくれそうな人物はサンジしかいない。
「んな!!ナミさんはどうしちまったんだ!?」
「突然倒れて…お願い、ベットまでナミを運んでもらっていい?」
「お安い御用だ!!ナミさん、抱き上げるぜ。」
ひょい、と、でもゆっくり持ち上げたサンジ。やっぱりこいつを選んで正解だったわ。なんだなんだとプチフールを食べてたルフィ達も集まってきたし。私はベットへ先に行って冷えピタを探す…あ、しまった、ここの世界に冷えピタねぇわ。濡れタオルじゃないと…タオルを出して外へ出たところでゾロに出くわした。
「おい、なんかあったのか。」
「うん、ナミが倒れちゃって。みんな部屋に入っちゃったから…かなり不安だけどゾロ!エターナルポース見ててくんない?」
「おう任せろ。」
ゾロにビビから預かったエターナルポースを渡す。か、な、り、不安だけどしょうがない。急いで風呂場でタオルを濡らしナミの部屋に戻ると…
「ナビさん死ぬのがなァ!!!?なァビビぢゃん!!!」
くっっそ暑苦しいのやつがいた。さっきまで頼もしかったのに…超泣いてる。私はそっ、とサンジを避けてナミの額に濡れタオルを乗せる。さっきより熱くなってるのは、気のせい?