第22章 ケスチア
「…………ま、…すぐ………」
私が勇気を振り絞って声を出したとき…いきなり視界が開けた。周りを見ると、金魚の真ん中に大きな風穴が出来ていて…これはドリーとブロギーが斬ったんだろう。
「うーーっほーーっ!!!!飛び出たーーーーーっ!!!振り返るなよ!!いくぞ、まっすぐーーーっ!!!」
「……ルフィ………」
「でけぇ………!!!なんででっけぇんだ!!!!」
「海ごと…斬った…これが…エルバフの……うぅ…戦士の力…!!!すげぇ!!!!」
ルフィはひたすらことの大きさに感激し、ウソップは感動で涙をした。私達は信じた結果、最後の最後に2人に命を救われたのだった。
「みんな!!おれはな!!いつか絶対に!!エルバフへ!!戦士の村へ行くぞ!!!」
まだ興奮が冷めやまないのか、ルフィとウソップは余韻に浸っていた。
「よしウソップ!!必ず行こう!!いつか巨人達の故郷へ!!」
「「エ〜〜ル〜〜バフバフ〜♪エ〜〜ル〜〜バフバフ〜♪みんな〜でかいぞ♪巨人だし〜」」
何だその歌は。自作か?エルバフか…まぁ確かに、行ってみたいとは思う。あの2人と私達、どっちがエルバフに早くつくんだろうね?
「元気ねあいつら…なんだか私、さっきのでどっと疲れちゃった…ビビ、これ…指針見ててくれる?」
エターナルポースをナミから渡されたビビは、じっとその指針を眺めていた。
「これでやっと…アラバスタへ帰れるわね。ま、もっともアラバスタへの航海が無事に済めばの話だけど。」
「あれ以上に大変な島があったら死んじゃうよ…なんとしても生き残ってやるんだから。」
「えぇ…私はきっと帰らなきゃ……だって、今王国を救う方法は…………必ず生きて、アラバスタへ………!!!」
……?さっきまでスッカリつきものが落ちたみたいな顔をしてたのに、また顔が曇ってきた。どうしたもんかな。
「そう力む事ァねェよビビちゃん。おれがいる!!!」
こんな自信満々に自分を売りに出せるのは本当にすごいことだと思うよサンジ。
「本日のリラックスおやつ、プチフールなどいかがでしょう。お飲み物はコーヒー、紅茶どちらでも…」
「「んまほー」」
ビックリした。さっきまでエルバフの歌歌ってたルフィとウソップが肩を組んだまま隣でサンジの料理をガン見してた。よだれめっちゃたらして汚い。