第22章 ケスチア
「あんたらいつまでやってんの。どうせ全部は載らないんだから、必要なぶんだけ切り出して船出すわよ!!」
「はーい、ナミさん♡」
「なァおいウソップ、どう見てもおれの勝ちだ。」
「んん?興味ねェよ。」
「引き分けじゃダメなの?」
「勝負に引き分けはねェっ!!」
あ、面倒臭い。引き分けがダメだったら世の中の引き分けでセーフ、とか言ってるやつはどうなんだよ。それは勝負じゃない、とか言うのか?中々出航できないじゃん。でも、ナミのおかげでサンジが早々に食べれそうな肉を両方から切り出してくれた。やっと出航できるよ〜
「このまままっすぐ進めば、島の西側へ出られるんだって。」
「おい、もっと肉載せられんじゃないか?」
「ばか無理だ。これ以上は保存しきれねぇ。」
「あんた船沈める気?」
これでこのリトルガーデンとはおさらばか。こうして最後に見ると、最初にきたよりはだいぶ怖くなくなったなぁ。やっぱりどういうやつがいるかとか知らないから怖かったんだろうね。
「お!!あれおっさん達だ。」
「見送りに来てくれたんだな。」
「この島に来たチビ人間達が…」
「次の島へ辿り着けぬ最大の理由がこの先にある。」
「なに?」
リトルガーデンの出口のところで2人が武器を持って物々しく立っていた。次の島へ行けない最大の理由?なんだそれ。
「お前らは決死で我らの誇りを守ってくれた。」
「ならば我らとて…いかなる敵があろうとも。」
「友の海賊旗(ほこり)は決して折らせぬ……!!!」
「我らを信じてまっすぐ進め!!!たとえ何が起ころうともまっすぐにだ!!!」
「…………わかった!!!まっすぐ進むっ!!!」
何か…雰囲気が違う?さっきまで話してた気さくで優しい雰囲気じゃなくて……何か覚悟を決めたような戦士の雰囲気。一体この後何が起こるっていうの?
「お別れだ。いつかまた会おう。」
「必ず。」
「………なんだろう…」
武器を構えだした。私達の船はもうリトルガーデンを抜け、海への駆り出した。2人の様子を不思議に思っていると…
「見て!!前っ!!!」
私達の下、つまり海から何か大きなものが浮き出てきた。大きなもの…といっても、限度がある。デカすぎだ、リトルガーデンを飲み込むくらいの大きさだもの。