第21章 奇跡
「何を企んでるの?私にも聞かせてくれない?」
「頼むぞカルーッ!!!」
「クエーーッ!!!」
なに?なんかカルーにウソップのカバンから出てる紐が付いてるんだけど…ウソップのことだから何か考えがあるのかな。
「“強くなる石(クレッシエンドストーン)”…!!あなたは何kgまで耐えられるかしらね…10kg……!100kg………!!200kg………!!」
「う…うえ……!!!」
な、なに…?ウソップの上に乗ってるミス・バレンタインがウソップのお腹をミシミシ言わせてるんだけど…もしかして自分の体重を重くしてそのまま潰す気?そんなのさせない…
「ウソップからどいてよっ!!」
ドウッ!!ザザザッ!!
「キャッ、何!!?」
私の手のひらから凄い量の水が鉄砲のごとく飛び出した。銃みたいな細かさはないので人体を貫くことはないが、水の勢いでミス・バレンタインは飛ばされた。
「………ぐはっ…た、助かったぜ……」
「大丈夫!?ウソップ!!…ところで、カルーに紐つけてたけど…あれは何?」
「…へへ、心配すんな、あいつらは助かるぜ!ルフィ!!!」
ルフィを見ると、なんとあの巨体のMr.3の髪の毛?の3を掴んで走っていた。その火でろうそくを溶かそうとするのだろうか…足りなくない?
「…そんな小せぇ火じゃ間に合わねぇ!!カルーのロープに火をつけろ!!!」
「鳥のロープ!?」
「油たっぷりの…スペシャルロープだ…」
「あ、なるほど!!頭いいかよ…」
「わかった!!よし!!!みんな起きろぉ!!!」
「ちょっと熱ィが、我慢してくれっ!!」
ボオオオオオオオ!!!
油を注がれたロープは、カルーが走り回ってくれたおかげでセット全体に巻きつかれていたみたいで。Mr.3の頭の火だけで全体に着火し、それは大きな炎を生み出した。ちょっと離れているにしてもこれは熱いし怖い。頭を抱えて身を屈める。