第21章 奇跡
2人は逃げろって言ってる。ルフィは私が戦ってるところを見たことがない(幼少期以外)、だから名ばかりの副船長って認識…ルフィのことだからそんなことは思ってないだろうけど。ビビも私は戦えないとでも思っているんだろうなぁ…確かにこの船で一番弱くて一番ビビりではあるけど、ここで逃げたら終わりな気がする。
「「逃げろ/て!!!」」
「うるっさい!!!私は逃げないよ!!!」
ひたすら逃げろと言ってくる2人を一括する。そこまで大した戦いをできるとは思えないけど、足掻いてやる。まず叫んだと
同時に弾が入ってない銃を敵に向かって撃つ。弾がなくとも私の水の鉄砲で事足りるのだ。
「ふん、甘いな。行くぞ、ミス・バレンタイン!!」
「ええ、Mr5!!」
「なんで2人がかりでくるのぉ!!!?」
軽々と避けられたチクショウ!!勝率は限りなく低いが、時間稼ぎくらいはしたい。最悪水も使ってやる!!
「“鼻空想砲(ノーズファンシーキャノン)!!!」
同じ手段で私がやられるとでも思ってるの!?まぁあっちからしたらビビって何もできなかったただの女とでも思ってるのか。私の水鉄砲で打ち消してやる。よく当たったな……
「上に注意することね!!1万キロプレス!!」
「なまえ!!」
「ご心配なくっ!!」
難なく避けると、私がいたところが凹んでいた。危ない、ウソップの二の舞いになるところだったわ。
「よいしょっ!!」
地面に大きい穴を開けたミス・バレンタインの持っていた傘ががら空きだったので蹴り飛ばしてやった。これがないと風に乗れないんでしょ。ついでに回った反動で短剣を5、6本投げつける。
「くっ、」
傘は手に入れたが、短剣は全く当たらなかった。というか避けられた。
「……え、なにこれ?」
「ヨーヨーだよ。」
でもいいんだ。投げた短剣の1本に私のヨーヨーの紐を括り付けていたから、それがミス・バレンタインに絡まればそれでいい。
「んっ!!」
私の持っていたヨーヨー本体を引っ張り上げれば、ミス・バレンタインの体に巻き付いた紐は容赦なく縛りつけられた。ちょっこざいで、保険を掛けまくっている戦いだけど…私はこれが精一杯である。縛りあげたミス・バレンタインはMr.5に爆発させてもらおうかな。