第3章 コルボ山
夜になった。床掃除はとっくに終わって、今洗濯物を入れてるところ。ルフィはまだ帰ってこない。そろそろ帰ってきてもいいころなんじゃないかなっとおもった時、ダダンの声が聞こえてきた。
「エース…おめぇ…一人で帰って来たのか。あいつは?ルフィはどうした、一緒じゃねぇのか?」
「知るか。」
「…………初日から行方不明ってマズくニーっすかお頭っ!!」
「放っとけ!死んだら死んだで仕方ねぇ!!だいたいこちとらエースの奴もとうに見離してんだ!どこで野垂れ死んで貰ってもガープにゃ事故だと報告すりゃいいと思ってんのに。憎まれっ子は世に憚るとはこの事だ!“鬼の子”だよ!!?万が一政府が嗅ぎつけてみなよ。あたしら一体どんな目に会うと思う!!?」
「まーまーお頭…」
行方不明とか言ってない?ルフィが…エースは帰ってきてんのにどこほっつき歩いてんだ。ていうか、鬼の子って何のことだろう?まぁ他人のことだし、私には関係ないかもしれないけど…あんまりじゃないか。……エースって確かゴールドロジャーの息子だったよね。何か異世界人について情報を得られるかも。洗濯物を入れ終えて、ダダンに近づく。
「鬼の子って何ですか?」
「うおっ!?おめぇいたのか!?洗濯物はどうしたんだ!」
「そんなの終わりましたよ。それより、さっきの話、詳しく教えて下さい。お酒注ぎますので。」
「…………お前には関係ないだろ。」
教えてくれないんだな。酒汲み損か。まぁいいや。そんな焦ることもないし、ルフィが大きくなるまでゆっくりするっていうのもありか。
「関係ないですけど。人の生い立ちに他人がとやかく言うことはないと思います。」
「あぁ?」
「お酒がマズくなると思いますが、聞いてください。……もし、エースがどうしようもない悪党の息子だとしても、エースはエースなんです。政府が何ですか?ここにいるのは子供です。私は、生い立ちとか世間がどう思ってるかとかじゃなくて…純粋に、エースと仲良くなりたいと思ってます。」
「……おめぇ何か知ってんのか?」
「何も知らない、と言うと嘘になるかもしれませんが。ダダンさん達と同じくらいのことしか知りませんよ。それじゃあ失礼します。布団ひかなきゃ。」