第20章 勇敢なる海の戦士
「理由もねぇのに…こんな戦いを…!!!」
「はた迷惑なケンカよね…」
「バカ野郎!!これが真の男の戦いってもんなんだよ!!」
「………?なにそれ。」
これは私も是非とも知りたい。理由もない戦いが、何故彼らをそこまで奮い立たせるのか。
「例えるなら…あの2人は……自分の胸に“戦士”という旗を1本ずつかかげてる…それは命よりも大切な旗なんだ!!!それを決して折られたくねぇ…………!!!だからその旗を守るために今まで100年間もぶつかり続けてきたんだ。わかるか!!?これは紛れもなく“戦士達”の“誇り高き決闘”なんだよ!!!」
「別に興味ないもん私そんなの…ホラ!早く逃げるわよ!」
「おれはもう少し見てる!!」
………ここだろうな、男と女が別れるところって。私も正直分かるかといえば分からない。でも、ウソップの言う誇り高き決闘が本当の戦いであるならば、見てみる価値はあると思った。
「…………ウソップの目指してる“勇敢なる海の戦士”ってさ…これのことだったりする?」
「!!!そうだ!!まさにこれなんだよ!!…おれは、こういう誇り高い男になりてぇ!!!」
やっぱり、そうだったんだ。やたらウソップが誇り、誇りと言っていた理由が分かった。誇り高い男……確かに、ちょっとだけだけどカッコイイのかもしれない。
「………ふーん、あんた巨人になりたいんだ…」
「ぶっ!!」
「お前は一体何を聞いてたんだ!!?」
ナミは心の底から興味ないみたいで…全く理解してなかった。
「…こんな戦士達の暮らす村があるんなら、おれはいつか行ってみてぇなぁ……!!!」
「…うん、いつか行こうね、ウソップ。」
「………なんだ?」
「…ふふ、なんでもない!」
ウソップは怪訝な顔をして私を見てた。そりゃまぁ何だろうとは思うよね、ずっと見てたらさ。ウソップがこんな嬉しそうに話すの、初めて見た気がして…ちょっと嬉しくなっちゃったんだよね。推しだし。
「はぁ……私には分かんないわ。これのどこがいいか。」