第21章 奇跡
「勇敢なる海の戦士?なんだそりゃあ。」
引き分けとして終わった2人は、それぞれの寝床へと戻っていった。ウソップはさっき私達に話していたことをブロギーさんに話しだした。
「あんたらのことさ!!おれはいつかあんた達の様になりてぇ!!」
「巨人にか。」
「そうじゃねぇよ!!」
ブロギーさんも分かってなかった。ナミと同じこと言ってるし。ナミもそれ見たことかと笑ってた。
「エルバフの戦士の様に誇り高く生きて行きてぇとおれは思ってる!!!」
「ガバババババ!!!そうか!!!おれ達ァよ、てめぇらより寿命が長ェ分よけいに名誉ある死を望む。財産も人の命も、いずれは全て滅ぶもんだ。だがエルバフの戦士として誇りを滅ぼすことなく死ぬことができたなら、そりゃ“名誉ある死”だ。その誇りはまた、エルバフの地に受け継がれる永遠の宝なんだ。」
「誇りは宝か!!」
名誉ある死か…やっぱり私には分からないや。名誉ってどういうことだっけ?誇りっていうのはみんなに賞賛されることなんだっけ?まぁ1人で細々と死ぬよりはいいのかもしれないけど…あれかな、歴史に残れるようなことなのかな。
ドォオ…ン!!
「……また、真ん中の山の…」
「ガバババババ、決闘の合図か………!!今日は景気がいいな!!」
「行くのかよ!!さっきの傷は…!?」
「なに…互いに条件は同じだ!!ガバババババ!!!情け容赦ない殺し合いに、言い訳などしては名が腐るわ!!!!」
ブロギーは立ち上がった。怪我と言ってもそこまで深くはないみたいだし、大丈夫そうだ。
「じゃあブロギー師匠っ!!頑張って!!!」
「ガバババババ!!!おぉウソップ!!今度こそ奴をブチのめすつもりだぜ!!!」
そういってブロギーは言ってしまった。100年も経ったらお互い諦めとかそういうものが出てくると思うんだけど…やっぱり私は誇りというものをちゃんと理解してないんだろうか。