第20章 勇敢なる海の戦士
「“永久指針(エターナルポース)”なら1つあるぞ!!だが、行き先はおれたちの故郷エルバフ。おれ達はそれを巡って戦ってるんだ!!」
「………ん?おれ、達?ここにいるのはあんただけじゃねぇのか?」
「あぁ、ドリーというやつがいる。故郷エルバフには厳しい掟があってだな、例えば村で争いをおっぱじめて互いに引けぬ場合………おれ達はエルバフの神の審判を受ける。エルバフの神は常に正しき者に加護を与え、正しい奴を生き残らせる。それでおれも一騒動起こしちまって、この島はおれとドリーとの決闘場になってる。正しい方が勝負に勝ち…生き残る。だがかれこれ100年、てんで決着がつかねぇ…!!!ガババババババ!!!」
「ええ!?100年も戦ってるんですか!?そんなら憎しみとかそんなのはないはずじゃ…理由は?」
「理由か…忘れたなぁ、ガババババババ!!!」
理由を…忘れる?そんなことなんてあるの?2人は仲良しそうだし、喧嘩なんてしなくても2人で一緒にエルバフへ帰ればいいのに…
ドォオ…ン!!
その時、真ん中に見える大きい火山が噴火した。大きいだけあって島全体に響き渡る。これって、一番最初に聞いた噴火だったりして。
「………よし、行くか。いつしか決まってしまった、“真ん中山”の噴火は決闘の合図。」
そういってブロギーさんはもう一人の巨人のドリーさんと決闘をしに行ってしまった。なんかだか…すごい話を聞いてしまったみたいだ。とにもなくも、巨人2人の戦いはスケールが違って…衝突するたびに地響きがする。
「カ…カ…!!!カブトで受けたっ!!!!数センチ受け違えたら一発即死だぞ!!!な…やんちう戦いだ…!!!お互いの全攻撃が急所狙いの一撃必殺…!!!」
「こんな殺し合いを100年も………!!?でも…よかった…!!今のうちに逃げられるわ!行きましょウソップ、なまえ!!」
「え、もう行くの?」
この迫力がある戦いをもう少しだけ見ていたかったが、渋々ナミに付いていく。が、途中でウソップがついてきていないことに気がつく。
「……?ウソップ?」
「すげぇ…」
「どうしたの?」
「ちょっと!!」
ウソップは珍しくポケー、と巨人2人の戦いを見ていた。