第20章 勇敢なる海の戦士
ドォン!!
ビリビリと痺れるような振動がした。島全体響き渡るような音で、ビビリ組は少しパニックになる。
「これが…ただのジャングルから聞こえてくる音なの!!?」
「まるで火山でも噴火したような音だぜ今のはっ!!?」
「じゃあ火山地帯があるんじゃないの!?ここには!」
次は森から大きなトラが出てきた。が、何かに噛まれたのだろうか、大きな怪我を負っていて倒れてしまった。
「普通じゃないわっ!!絶対普通じゃない!!!何で“密林(ジャングル)の王者”の虎が血まみれで倒れるの!!?」
「こ…この島には上陸しないことに決定!!」
え…ジャングルの王者ってトラじゃなくてライオンじゃなかったっけ?それともここの世界ではトラになってるのかな。
「…船の上で“記録(ログ)”がたまるのを静かに待って…!!一刻も早くこの島を出ましょ…!!!は…早くアラバスタに行かなきゃね。」
めっちゃビビってらっしゃるナミ。ただのジャングルではなさそうだけど、人がいる様子はない。怖いけど、そこまでは怖くない。
「サンジ!!弁当っ!!」
「弁当ォっ!?」
「ああ!!『海賊弁当』!!」
海賊弁当は、バワーの補給のみを目的とした野菜抜きの弁当のこと。野菜も食べなきゃ駄目なのにねぇ。
「冒険のにおいがするっ!!!」
「ちょ…ちょっと待ってよあんた!!!どこ行くつもり!?」
「冒険。しししし!!来るか?」
ナミがルフィのイキイキしている顔を見て涙を流した。あ、これ諦めたやつだ。
「サンジ弁当ーっ!!」
「わかったよ、ちょっと待ってろ。」
「なまえも行くだろ!?弁当2つだーっ!!」
「……………えっ、行くの?」
「行かねぇのか?」
当然のように私も行くことになっていた。ルフィは強いし、運もいいから危険なことがあったら絶対に守ってくれるのだろうけど…今回は
「うー…ん、いや……いいや。ビビを連れて行ってあげてよルフィ。」
「おう、来い来いビビ!!」
「えっ、私?」
「あんたまで何言うの!?」
「だってさ…じっとしてたら色々考えちゃうでしょ?せめてログが貯まるまでは気晴らししないと!!ねぇ、ビビ!!」