第20章 勇敢なる海の戦士
「そんなのどっちだっていい…!!」
ビビからエターナルポースを奪い取ると、バキバキに割ってしまった。
「アホかお前ーーっ!!せっかく楽に行ける航路教えてくれたんじゃないっ!!!あの女がいい奴だったらどうすんのよーっ!!!」
ナミの渾身の跳び膝蹴りが炸裂した。あんな怪しすぎるものでも、楽に行けるかもしれない確率はなきにしもあらず、だもんね。気持ちはわかる。
「この船の進路を、お前が決めるなよ!!!」
「……そう、残念…」
…かぁ、っこいいなぁ…ルフィ。こういう意思がしっかりしてるといいよね。
「もうっ!!」
「あいつはちくわのおっさん爆破したからおれはきらいだ!!」
………理由が思ったよりガキ臭かった。
「…私は威勢のいい奴はキライじゃないわ…生きてたらまた逢いましょう。行くわよバンチ。」
「うおお、カメだ!!!」
どうやってここに来たのか、その謎が今分かった。大きなカメだ。それに乗ってきたのだ。なんか甲羅のところに人ひとり寛げるような椅子が置いてある。いいな、あれ…
「あの女…!!一体何考えてるのかさっぱり分からない。」
「だったら考えるだけムダね!」
「そういう奴ならこの船にもいるからな。」
「そうそう、問題児野生ザル。」
「ん?誰のことだ?」
「ルフィのことに決まってんじゃん。」
「なんだお前、失敬だな!」
「おい、状況説明しろぉ!!!わけわかんねぇよ!!」
「ミス・ウェンズデーもしかして仲間に!?」
「おいジョーキョーを説明しろ!!うわっ!!ダチョーが乗ってるぞ!!!」
ダチョーって…カルーはカルガモだよ。そうだよね、2人ともわかんないよね。
「……私、本当にこの船に乗ってていいのかしら……みんなに迷惑を…」
「なーに言ってんの。あんたのせいで私達の顔はもうわれちゃってんのよ!!メーワクかけたくなかったら初めからそうしてよ!!」
「う………ごめんなさい。」
根に持つねぇ、ナミ。もうこうなっちゃってるんだから仕方ないでしょ。
「そうでしょ?ルフィ。」
「朝だーーっ!!サンジ朝メシー!!!」
「どうでもいいのかしら。」
「…うん、どうでもいいと思うよルフィは。どうせなんらかの敵とは戦うんだから。…さてと、日が昇ったし…とりあえず、船を進めよう!!」
「……そうね!考えてても仕方ないわ。進みましょう!」
