第20章 勇敢なる海の戦士
少しざわめきを残しながら船へと向かうと、みんなはもう船に乗って出発をしそうだった。
「なまえーーっ!!捕まれ!!」
ルフィが腕を伸ばしてきたので、その手を掴んで無事船へと乗り込むことができた。
「あんた何やってたのよ!!危うく置いていくところだったじゃない!!」
ナミがご立腹である。まぁ後ろについてきてたはずの私がいなかったし、急いでるって言ってんのに全然追いかけなかった私も悪いけども。
「…………あのね、なんか女の人、見ちゃったんだよね…」
「………てことは追手は1人?」
「分かんないけど…でも他に船は見当たらなかったから…」
「……B・Wの社員は総勢二千人いて、ウイスキーピークのような町がこの付近にいくつかあると聞いているけど…」
「千人くらいきててもおかしくないってわけね…」
「ありえるわ。社長の正体を知ってしまうことはそれほどのことだもん。」
とりあえずウイスキーピークを出ることに成功したことには変わりない。追手が何人来てようと逃げることしかできないわけで。…とりあえず、寝ていた2人に簡単な説明をしてあげないと。
「おいっ、何でだ!?何でもう船出してんだ!!?待ってくれよ、もう一晩くらい泊まってこうぜ、楽しい町だし女の子はかわいいしよォ!!!」
「そうだぞ!!!こんないい思い今度はいつできるかわかんねェぞ!!?ゆったりいこうぜ、おれ達は海賊だろ!?まだ朝にもなってねェしよ!!!戻ろうぜ、おい聞いてんのか!!!」
ゴン!!!……しゅううぅぅ…
拳で分からせるのはズルいと思うよナミ。確かに言い訳がイラッ、としたし説明も面倒くさいけども。私はボコられて頬を腫らして倒れている2人に近づく。
「あのね、二人とも。この町はね………」
「霧が出てきた。もうすぐ朝ね…」
「!?」
全身がゾワゾワして一瞬にして鳥肌がたった。この声、さっきの火の海の中で響いてた女の人の声だ。
「船を岩場にぶつけないように気をつけなきゃね。あー、追手から逃げられてよかった♡いい船ね。」
「「「「誰だ!!!?」」」」
「さっきそこで…Mr.8に会ったわよ?ミス・ウェンズデー…」
「………女の人って…あんたがイガラムを…!!!」
私が言っていたことと合点がいったようで、ビビは女の人を睨んだ。