第19章 B・W
「…ルフィ、何でゾロと戦ってたの?ゾロがなんかした?」
「した!!聞いてくれよなまえ!!コイツ、村の人達をぶった斬ったんだ!!」
「……あぁ、うん。ぶった斬ったね。理由は聞いた?」
「あれだろ?あのもてなし料理に好物がなかったから怒って…」
「あ!!?てめェと一緒にすんな!!」
「あり?違ェの?」
「違ェよ!!!」
…何だ、ルフィとゾロの喧嘩じゃなくて、ルフィが一方的にゾロを成敗しようとして、ゾロもノッかったってことか。ちょっと安心した。
「なっはっはっはっはっはっはっ!!!なんだそうだったのか!!はっはっはっはっ!!」
「ったく、ルフィ…早とちりもいい加減にしてよ。本気で喧嘩し合っててびっくりしたんたからさ〜。人の話は最後まで聞こうって前言ったじゃん。」
「おう!!すまん、ゾロ!!」
「…てめェは…はぁ……」
いやおう、じゃなくてね。…もういいけどさ、ルフィは人の話を聞かない傾向にあるからな〜…ゾロもなんだかもういいや、みたいな顔してるしさ。
「それはムリ!!」
ビビの凛とした声が響いた。私がルフィとゾロの仲をもってる間、さっそくナミが契約の説明をしてたみたいで。仕事が早いこと。
「助けてくれたことはお礼を言うわ、ありがとう。」
「なんで?王女なんでしょ?10億くらい…」
「……………アラバスタという国を?」
「ううん。聞いたこともない。…………あ、なまえは知ってたんだっけ?」
「あー…うん、ちょっとだけね。抗争中ってことしか知らない。」
いきなり振ってきた。ナミの目が少し怖い。詮索するような感じだ。
「“偉大なる航路(グランドライン)”有数の文明大国と称される、平和な王国だった…昔はね…」
「昔は?」
「ここ数年、民衆の間に“革命”の動きが現れ始めたの。さっき言ってたように、民衆は暴動を起こし国は今乱れてる。だけどある日私の耳に飛び込んできた組織の名が“バロックワークス”。どうやらその集団の工作によって民衆がそそのかされてることが分かった。でもそれ以外の情報は一切が閉ざされていてその組織に手を出すこともできない。ーーーそこで小さい頃から何かと私の世話をやいてくれているイガラムに頼んだの…」
「ちくわのおっさんか。」
ちくわのおっさん……なんかちくわ大好物だよ 、みたいな名前でちょっと気に入った。