第19章 B・W
「………イカン、もうヤメだ。」
「おーっ!!にーちゃんは13人目でついにダウンだー!!」
隣でグビグビお酒を飲んでいたゾロはガンっ、と机の上にジョッキを置くとそのまま突っ伏してしまった。……寝ちゃったのかな?
「彼女はもう15人目だぞ!!相手はシスターだ!!」
ナミのことかと振り向いてみれば…さっきよりも顔を赤くさせたナミが凄い勢いでビールを飲んでいた。ビールってそんな勢いで飲んでいいものだっけな…
「ういっ、ら〜りよゾロったらなっさけらい。」
「あなたもそろそろ止めたほうが体のためよ?」
……あれ、シスターって教会の人だよね。お酒飲んじゃだめなんじゃなかったっけ…?気のせいか…
「あーもーごちそうさま。もう食えねぇ。」
ドテ、と重々しい音を立てた方を見ると…ルフィがさっきよりもお腹を膨らませて横に転がっていた。これさ、どうやって消化するんだろうね。
「あっはっはっはっはっはっ!!はっはっはっはっはっはっ!!」
「笑い上戸だーーっ!!」
「コックも3人倒れたーーっ!!」
周りは笑いに包まれた。と、思いきや、次々とダウンしていく仲間達。
「あ〜〜い〜いきもち。」
「ふーー、なんていい町なんだ。」
「ここは“楽園”だぜぇ♡」
……あれ、そう思ったら残ったの私だけじゃん。どうしよう…お酒飲んでないし、そんなにご飯も食べてないからお腹いっぱいじゃないしな…
…あれ?いつの間に寝てたんだろう。多分場酔したんだろうなぁ…少し頭がボー、っとするし。
バキバキガシャアン…!!
なに!?外で凄い音がなった。ビックリして寝起きで少し半目だったのがしっかり開いた。周りはしん…としているせいか、さっきの音が凄く響いたのだろう。そっ、と周りを起こさないようにドアを開ける。うわ、月でか…しかも眩しっ!月をバックに酒を煽ってる影が見えた。あれは…ゾロだ。声をかけようとしたが、そろそろと移動をしてしまったので追いかけることに。
パキ……!!ぐに…
「いやっ、何!!?」
この道はよく木を踏んづけるな、と思った時に何か柔らかいものを踏んでしまったようだ。下を見ると…人?え、待って人が倒れている。しかも一人じゃない、いっぱい。それにこの人達、私達を歓迎してくれた人達じゃん。どうなってるの…